国連安保理、米がアフリカの常任理事国入り支持 2議席創設
9月12日、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、国連安全保障理事会(安保理)の常任理事国にアフリカ地域からの代表として2議席を創設することへの支持を表明する。国連本部で2011年2月(2024年 ロイター/Joshua Lott)
Michelle Nichols
[国連 12日 ロイター] - 米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は12日、現在5カ国の国連安全保障理事会(安保理)常任理事国にアフリカ代表2カ国を加えることを支持すると表明した。
さらに、現在10カ国の非常任理事国に島しょ国代表1議席を設けるべきとも述べた。シンクタンク、外交問題評議会で講演した。
「安保理をより包摂的で国々の代表にふさわしいものにし、今日の世界の人口動態を反映させて、われわれが足元で直面する課題への対応能力を高めるべきだと、各国が長年訴えてきた」と述べて安保理改革の必要性を強調した。
米国は、インドや日本、ドイツの常任理事国入りも長年支持してきた。
発展途上国はこれまで安保理常任理事国入りを求めてきたが、改革に向けた協議は実を結んでいない。米国の支持がこれを後押しできるかどうかは不明。
トーマスグリーンフィールド氏は常任理事国5カ国が現在持つ拒否権を、新たに加わる国に与えるべきではないとの考えを表明。「安保理がさらなる機能不全に陥ることになる」ためだとした。
安保理の非常任理事国は国連総会によって毎年5カ国ずつ改選され、任期は2年となる。現在アフリカは非常任理事国に3つの地域枠を持つのみ。
「問題はこれらの非常任理事国の議席が、アフリカ諸国が安保理の活動にその知識と意見を十分に生かし、われわれ全員に影響を及ぼし、特にアフリカ人に影響を及ぼす課題について一貫して主導権を握ることを可能にしていないことだ」と指摘。
アフリカからどの国が常任理事国に加わるかはアフリカ諸国で決定すべきだとした。
さらに、発展途上の島しょ国については、「気候変動問題を含め、国際平和と安全保障上の課題について様々な洞察力」を提供していることを踏まえると、非常任理事国の枠を持つに値するとの見方も示した。
安保理改革には国連憲章の改正が必要で、改正には国連総会で3分の2以上の賛成と、常任理事国5カ国の支持が必要となる。
トーマスグリーンフィールド氏は改正に向けた決議案の交渉入りにも支持を表明した。
国連のグテレス事務総長は安保理改革を支持している。グテレス氏は11日ロイターに対して「安保理はまさに第二次世界大戦後の状況に一致している。正当性の問題があり、実効性の問題もあるため、改革が必要だ」と語った。