ニュース速報
ワールド

ガザ停戦協議、16日も継続へ 「建設的」と米当局者

2024年08月16日(金)13時14分

パレスチナ自治区ガザでの停戦を巡る交渉が15日午後、カタールの首都ドーハで始まった。写真はガザとの国境付近に進入するイスラエル軍の戦車。14日撮影(2024年 ロイター/Amir Cohen)

Andrew Mills Nidal al-Mughrabi

[ドーハ/カイロ 16日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザでの停戦を巡る協議が15日にカタールの首都ドーハで始まり、16日も継続することになった。カタールと米国の当局者が明らかにした。

関係筋によると、イスラエルの代表団には情報機関モサドのバルネア長官が入っている。米国は米中央情報局(CIA)のバーンズ長官らを派遣したほか、カタールのムハンマド首相とエジプトのカメル総合情報庁長官も協議に加わっている。

パレスチナのイスラム組織ハマスの幹部は15日の協議に参加しなかった。関係筋によると、仲介国が協議後にドーハを拠点とするハマスの交渉チームと話し合う予定という。

協議について説明を受けた米当局者はロイターに対し、15日の協議は「建設的」だったと述べた。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官はホワイトハウスで記者団に対し「これは重要な作業だ。残る障害を克服することは可能であり、われわれはこのプロセスを終わらせなければならない」と語った。

米大統領選の共和党候補トランプ前大統領はバイデン米政権が数カ月にわたって停戦を呼びかけていることについて、「ハマスに再編成の時間を与えるだけだ」と批判した。

<ガザの死者4万人超に>

一方、イスラエルはガザへの攻撃を継続。ガザ保健当局によると、15日夜に北部ジャバリアの民家に対するイスラエルの空爆で少なくとも6人のパレスチナ人が死亡した。

イスラエル軍はこれより先にはガザ南部のラファやハンユニスの標的にも攻撃を加えた。

ガザ保健当局は15日、昨年10月の戦闘開始以来の域内死者数が4万人を超えたと発表した。

国連のボルカー・ターク人権高等弁務官はこれについて「世界にとって暗い節目」と表現。声明で「この想像を絶する事態はイスラエル国防軍が繰り返し戦争のルールを順守しなかったことに大きく起因している」と述べた。

これとは別にイスラエル軍は、ガザ作戦で1万7000人以上のパレスチナ人武装勢力を「排除」したと発表した。

ハマスの政治局員ホッサム・バドラン氏は15日遅くにテレグラムで発表した声明で、イスラエルの作戦が続いていることが停戦に向けた進展の障害になっていると指摘した。

イスラエルとハマスは互いに相手を非難しているが、どちらも合意の可能性を否定していない。

イスラエルの交渉チーム関係者は14日、ネタニヤフ首相がいくつかの重要な争点に関して大幅な裁量権を認めたと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

焦点:FRB大幅利下げは吉か凶か、投資家は相場波乱

ビジネス

東京メトロ、10月23日上場 国と都が3195億円

ビジネス

午後3時のドルは142円前半へ小幅安、日銀会合後に

ワールド

ブラジル当局、干ばつでサマータイムの復活承認 大統
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に高まる【新たな治療法】の期待
  • 2
    世界で最も華麗で高額な新高層ビルに差す影
  • 3
    岸田政権「円高容認」の過ち...日本経済の成長率を高められる次期首相は高市氏だ
  • 4
    「ポケットの中の爆弾」が一斉に大量爆発、イスラエ…
  • 5
    米大統領選を左右するかもしれない「ハリスの大笑い」
  • 6
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 7
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 8
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない…
  • 9
    「気持ち悪い」「正直言って変...」サブリナ・カーペ…
  • 10
    他人に流されない、言語力、感情の整理...「コミュニ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 3
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 4
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 5
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に…
  • 6
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 7
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁…
  • 8
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 9
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰…
  • 10
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 7
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 8
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 9
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 10
    ロシア国内クルスク州でウクライナ軍がHIMARS爆撃...…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中