ニュース速報
ワールド

ロ朝、通商・安保システム構築へ プーチン氏が訪朝控え連携強化表明

2024年06月18日(火)10時45分

ロシアのプーチン大統領は、北朝鮮との関係をより高いレベルに引き上げると表明し、揺るぎない支援を約束した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が18日のプーチン氏訪朝に先立ち報じた。写真はモスクワで4月撮影(2024年 ロイター/Evgenia Novozhenina)

Hyonhee Shin Josh Smith

[ソウル 18日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は北朝鮮との関係について、西側に影響されない形で通商・安全保障システムを構築すると表明し、揺るぎない支援を約束した。北朝鮮国営メディアが18日のプーチン氏訪朝に先立ち報じた。

プーチン氏は朝鮮労働党機関紙の労働新聞に掲載された書簡で、両国は過去70年間にわたり平等、相互尊重、信頼に基づいて良好な関係とパートナーシップを築いてきたと述べた。

「われわれは西側諸国に統制されない貿易と相互決済の代替メカニズムを開発し、不当な一方的制限に共同で抵抗する」とし、「同時にユーラシアに平等かつ不可分な安全保障の枠組みを構築する」と強調した。 

また、ロシアが「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナへの侵攻に対する北朝鮮の支援に謝意を示し、「米国の圧力、脅迫、軍事的脅威」に直面しながら自国の利益を守ろうとする北朝鮮の取り組みを支援すると表明した。

両国は17日、プーチン氏が18─19日の日程で訪朝すると発表した。

ロシアのウシャコフ大統領補佐官(対外政策担当)は、プーチン大統領の訪朝中に、両国が安保問題を含むパートナーシップ協定に署名する可能性を示唆。いかなる合意も「さらなる協力の見通しを説明するもので、国際政治や経済の分野など、両国間で近年起きたことを踏まえ署名されるだろう。無論、安全保障問題も考慮される」と述べた。

北朝鮮を訪れるロシアの代表団にはベロウソフ国防相、ラブロフ外相、ノバク副首相が含まれるという。

ロシアのインタファクス通信によると、首脳会談のほか、記念音楽会、国賓歓迎会、栄誉礼、文書調印、メディア向け声明などが予定されている。

民間衛星画像によれば、北朝鮮は平壌中心部で軍事パレードを行う準備を進めているとみられる。

米国務省ミラー報道官は17日、北朝鮮がロシアに数十発の弾道ミサイルと1万1000個を超える軍需品コンテナをウクライナでの作戦向けに供給したと非難した。

ロシアと北朝鮮は武器移転を否定している。

元ホワイトハウス当局者で、現在は米シンクタンクの戦略国際問題研究所に在籍するビクター・チャ氏は、今回の首脳会談が米国家安全保障にとって朝鮮戦争以来最大の脅威となると指摘。

「歴史に深く根ざし、ウクライナ戦争によって再び活性化した(両国の)関係は欧州、アジア、米国の安全保障を損なう」と17日付のリポートで述べた。

米国に欧州などのパートナーと協力して北朝鮮への経済的・外交的圧力を強めるよう求めたほか、中国と協議すべきなどとした。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:プラダ「炎上」が商機に、インドの伝統的サ

ワールド

イスラエル、カタールに代表団派遣へ ハマスの停戦条

ワールド

EU産ブランデー関税、34社が回避へ 友好的協議で

ワールド

赤沢再生相、ラトニック米商務長官と3日と5日に電話
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】
  • 4
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 5
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 8
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 9
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 10
    「登頂しない登山」の3つの魅力──この夏、静かな山道…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 9
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中