米国防長官「必要なあらゆる行動取る」、無人機攻撃で米兵死傷受け
オースティン米国防長官は29日、ヨルダンの米軍基地へのドローン(無人機)攻撃で米軍兵士が死傷したことを受け、米国と米軍を守るために「必要なあらゆる行動を取る」と言明した。ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Leah Millis)
[ワシントン 29日 ロイター] - オースティン米国防長官は29日、ヨルダンの米軍基地へのドローン(無人機)攻撃で米軍兵士が死傷したことを受け、米国と米軍を守るために「必要なあらゆる行動を取る」と言明した。
ヨルダン北東部の米軍基地で起きたドローン攻撃では米兵3人が死亡し、少なくとも34人が負傷した。バイデン大統領は声明で、シリアとイラクで活動する過激な親イラン武装勢力による犯行の可能性があるという見解を示した。
オースティン長官は国防総省で「怒りと悲しみ」を表明。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長との会談の冒頭で「バイデン大統領と私は米軍への攻撃を容認しない。米国と米軍を守るために必要とされる全ての行動を取る」と述べた。
ストルテンベルグ氏は「イランはこの地域を不安定化させ続けており、紅海でわれわれの船舶を攻撃するテロリストを支援している」と述べた。
今回のドローン攻撃を受けた「タワー22」と呼ばれる施設には当時約350人の兵士がおり、米国はなぜ阻止できなかったのか原因を解明中。関係筋は、攻撃ドローンが低空を飛行をしていたことで発見できなかった可能性があると指摘している。
ホワイトハウスによると、バイデン大統領は29日朝、ホワイトハウスの状況分析室でオースティン長官のほか国家安全保障チームのメンバーとの会合を開き、最新の状況について協議した。
国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、米政府はどのように対応するか検討しているとし、「この地域の紛争拡大は望まないが、行う必要のあることは行わなければならない」と述べた。
有識者は、イラン国内のイラン軍に対する攻撃が行われればイランが強硬に対応することで事態がエスカレートし、米国が中東の大規模な戦争に巻き込まれる可能性があると警告している。
英国のスナク首相は、中東での緊張の高まりに懸念を表明し、イランに対し緊張を緩和させるよう呼びかけている。