ニュース速報

ワールド

インド中銀が0.35%利上げ、5会合連続 インフレとの戦い継続へ

2022年12月07日(水)19時02分

 12月7日、インド準備銀行(中央銀行)は、主要政策金利のレポレートを35ベーシスポイント(bp)引き上げて6.25%とすることを決定した。写真は同行のロゴ。ニューデリーで2018年11月撮影(2022年 ロイター/Altaf Hussain)

[ムンバイ 7日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は7日、主要政策金利のレポレートを35ベーシスポイント(bp)引き上げて6.25%とすることを決定した。利上げは5会合連続。インフレとの戦いは終わっていないとしている。

金融政策委員会(MPC)メンバーの6人のうち5人が利上げを支持した。

ロイター調査では大半のアナリストが35bpの利上げを予想していた。

常設預金ファシリティー金利と限界常設ファシリティー金利も35bp引き上げられ、それぞれ6.00%、6.50%となった。

インドではインフレがピークを迎えた可能性が高いとの見方から、経済成長を巡る懸念が再浮上している。

10月のインフレ率は前年比6.77%と、3カ月ぶりの低水準に鈍化した。今後利上げペースが鈍るとの見方が強まっている。

ただダス総裁は、今年のインフレ高進の最悪期は終わったが、インフレの高止まりが主要リスクで油断はできないと指摘。「MPCの見解では、インフレ期待を安定させ、コアインフレの高止まりを打破し、二次的影響を抑制するため、さらに調整された金融政策行動が正当化される」と説明した。

その上で「インフレ管理に引き続き焦点を当てる。インフレ率をより管理可能な水準に戻すわれわれの取り組みが弱まることはない」と強調した。

パトラ副総裁は「50bpの利上げが続いていたが、今回はペースが鈍化した。これは変化だ」と指摘。「インフレの最悪期は終わったが、今後のインフレの鈍化はスムーズには進まず、大きな起伏があるだろう。インフレ率をまず許容レンジ内に収め、その後、目標水準に導く必要がある」と述べた。

MPCは6人中4人の賛成で「緩和解除」のスタンスを維持することを決定。経済成長を阻止することなく、銀行システムから高水準のキャッシュを吸収することを引き続き重視する。

投資家は少なくとも1回の追加利上げが次回のMPCで決まると予想している。

MPCは2022/23年度の成長率予想を7%から6.8%に引き下げた。インフレ率予想は引き続き6.7%とした。

ダス総裁は「国際環境を踏まえるとインドの(経済)成長は引き続き底堅い。6.8%の成長率は堅調な数字だ」と述べた。

インドの7─9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.3%増となり、エコノミスト予想(6.2%増)を若干上回った。4─6月期に2桁成長に押し上げていた新型コロナウイルス感染対策のロックダウン(都市封鎖)によるゆがみが剥落し、より正常な水準に戻った。

HDFC銀行のプリンシパルエコノミストは「声明は恐らく市場予想よりややタカ派的だった。利上げ打ち止めを示唆していない」と指摘。

コタック・マヒンドラ銀行のチーフエコノミストは「MPCはインフレを巡る不透明感が後退するまで警戒を続けるだろう。25bpの追加利上げを実施し、長期にわたって利上げを停止する可能性がある」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中