ニュース速報

ワールド

イラン、イラク北部クルド人自治区攻撃 弾道ミサイル12発

2022年03月14日(月)08時20分

イラク北部クルド人自治区の幹部は13日、イラク国外から複数の弾道ミサイルが同自治区の首都アルビルに撃ち込まれたと明らかにした。犠牲者はいないという。写真は20年3月、外出禁止令下のアルビル。(2022年 ロイター/Azad Lashkari )

[アルビル 13日 ロイター] - イランは13日、イラク北部クルド人自治区の首都アルビルに弾道ミサイル12発を撃ち込んだ。イラン国営メディアは、アルビルにあるイスラエルの「戦略的」施設が標的だったと伝えた。

同自治区当局者によると、ミサイルは米総領事館の新しい建物の近くに着弾。自治区の民間人1人が負傷し、死者は出ていない。米政府当局者らは、負傷した米国人はおらず現地の米政府施設にも被害はないとした。

イランの国営メディアによると、攻撃を実施したイラン革命防衛隊は「イスラエルが攻撃を繰り返せば、厳格で決定的かつ破壊的な対応」を取るとの声明を出した。イスラエルによるシリアでの空爆に対する報復だった可能性がある。この空爆ではイラン人兵士に死者が出ている。

クルド人自治区は、攻撃は民間人の居住地域を狙い撃ちにしたもので、外国の施設は標的ではなかったと主張。国際社会に調査を呼び掛けた。

イラク外務省はイラン大使を呼び出し、抗議した。

アルビルの国際空港に隣接する米軍駐留施設は過去にロケット弾やドローンによる攻撃を受けており、米国は親イラン系武装組織による攻撃だとみている。過去数カ月はこうした攻撃はなかった。

イランが直接の関与を認める形で米同盟国の施設を攻撃するのは珍しい。イランは最近では2020年1月、米軍拠点を弾道ミサイルで攻撃。米国によるイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の殺害に対する報復だった。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

オーストリア中銀総裁、ECB利下げに反対 データ主

ビジネス

物価2%定着へ、「新しい資本主義」改定 インフレ予

ビジネス

国内銀行の合併、国境超えた統合につながる可能性=E

ビジネス

ソフトバンク、シャープ堺工場にAIデータセンター 
MAGAZINE
特集:ウクライナの日本人
特集:ウクライナの日本人
2024年6月11日号(6/ 4発売)

義勇兵、ボランティア、長期の在住者......。銃弾が飛び交う異国に彼らが滞在し続ける理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車が、平原進むロシアの装甲車2台を「爆破」する決定的瞬間

  • 2

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が34歳の誕生日を愛娘と祝う...公式写真が話題に

  • 3

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らかに ヒト以外で確認されたのは初めて

  • 4

    「出生率0.72」韓国の人口政策に(まだ)勝算あり

  • 5

    なぜ「管理職は罰ゲーム」と言われるようになったの…

  • 6

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…

  • 7

    アメリカ兵器でのロシア領内攻撃容認、プーチンの「…

  • 8

    正義感の源は「はらわた」にあり!?... 腸内細菌が…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    世界大学ランキング、日本勢は「東大・京大」含む63…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 3

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が34歳の誕生日を愛娘と祝う...公式写真が話題に

  • 4

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 5

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 6

    キャサリン妃「お気に入りブランド」廃業の衝撃...「…

  • 7

    「サルミアッキ」猫の秘密...遺伝子変異が生んだ新た…

  • 8

    アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品…

  • 9

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らか…

  • 10

    「自閉症をポジティブに語ろう」の風潮はつらい...母…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 8

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 9

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 10

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中