ニュース速報

ワールド

UAE首都で燃料トラック爆発、3人死亡 フーシ派が犯行声明

2022年01月18日(火)06時43分

アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで17日、燃料トラック3台が爆発し3人が死亡したほか、アブダビ空港近くで火災が発生した。無人機(ドローン)攻撃とみられ、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が犯行を主張した。2020年4月撮影(2022年 ロイター/Christopher Pike)

[ドバイ 17日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで17日、燃料トラック3台が爆発し3人が死亡したほか、アブダビ空港近くで火災が発生した。イエメンの親イラン武装組織フーシ派の軍事報道官は、ドバイ空港およびアブダビ空港や石油精製所などに弾道ミサイル5発と「多数の」無人機を発射したと発表した。

UAE外務省は声明で「フーシ派による領内の地域および民間施設へのテロ攻撃を非難する。決して許されることではない」と表明。「UAEにはこれらの攻撃や犯罪が激化することに対応する権利がある」とした。

UAEの国営メディアによると、ブリンケン米国務長官はUAEのアブドラ外務・国際協力相と電話会談し攻撃を非難。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、ホワイトハウスはフーシ派の責任追及に努めるとした。

アブダビ警察によると、アブダビ国営石油会社(ADNOC)の施設周辺で燃料タンクローリー3台が爆発し、3人が死亡、6人が負傷した。死亡したのはインド人2人、パキスタン1人という。

ソーシャルメディアの映像では同施設周辺から黒煙が立ち上る様子が映された。警察は同地域に向かう道路を閉鎖した。

アブダビ警察は「初動捜査では、両現場で無人機(ドローン)とみられる小型航空機の部品が見つかっており、これが爆発と火災を引き起こした可能性がある」と発表した。アブダビ警察はミサイルに関して言及していない。

UAEのエティハド航空の広報担当者は、アブダビ空港では「予防措置」のために少数の航空便に一時的な混乱が見られたが、すぐに通常の運航が再開されたとした。

フーシ派の広報担当者は「UAEの深部」で軍事作戦を開始したと発表。フーシ派の交渉責任者が「イエメンへの干渉」を巡りUAEにけん制したという。

UAEの政治アナリストは、フーシ派による攻撃が確認されれば、UAEおよび湾岸諸国とイランとの対話が頓挫する可能性があると述べていた。

サウジアラビアとバーレーンは「卑怯なテロリストによる」攻撃と非難。イラン当局は現時点でコメントを発表していないが、イランのタスニム通信は「重要な作戦」だと報じた。

国連のグテレス事務総長の報道官によると、グテレス事務総長は攻撃を非難した上で、「全ての当事者に最大限の自制を求め、地域の緊張が高まる中で事態を悪化させないよう」呼び掛けた。

フランスのルドリアン外相は、今回の攻撃は地域の安定性を脅かすと述べた。

ロイターの目撃者によると、UAEへの攻撃があった後、サウジアラビアが主導する連合軍が17日、サウジに向けて発射された無人機8機を迎撃し、その後、フーシ派が拠点としているイエメンの首都サヌアに空爆を実施。関係者によると空爆で死者が出たという。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:富の世襲続くイタリア、低い相続税が「特権

ワールド

アングル:石炭依存の東南アジア、長期電力購入契約が

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中