ニュース速報

ワールド

米、対EU関税引き上げも 貿易赤字の削減必要=USTR代表

2019年12月18日(水)03時06分

[ワシントン 17日 ロイター] - ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は17日、欧州との恒常的な貿易赤字の削減に向け、欧州製品に対する関税引き上げの可能性を示唆した。

ライトハイザー代表はFOXビジネス・ネットワークのインタビューに対し、航空機大手エアバスへの補助金を巡る75億ドルの欧州製品に対する関税措置について、欧州との交渉の過程で引き上げる可能性があると表明。「(関税を)引き上げる可能性がある。われわれは交渉を通して結果を得ることを目標としている」とし、「欧州との通商関係は極めて不均衡だ」と述べた。

ただ欧州の自動車、および自動車部品が新たな関税措置の対象になるかについては明らかにしなかった。

ライトハイザー氏は米国の欧州連合(EU)に対する貿易赤字は2019年は1800億ドルに達すると予想されるとし、米国は欧州への輸出拡大を模索する必要があるとの考えを表明。「こうしたことは終わらせなければならない。多くの貿易障壁が存在しており、対応すべき問題は山積している」と指摘した。「対欧州貿易赤字を削減しなければ、全般的な貿易赤字の縮小はできない。このため(欧州との通商問題は)われわれにとり極めて重要な問題になっている」とも述べた。

統計局によると18年の対EU貿易赤字は約1690億ドル。米国の対EU貿易赤字には英国に対する約55億ドルの赤字が含まれている。

英国との通商関係についてライトハイザー氏は、トランプ政権は英国との貿易協定を優先事項に据えているとし、英政府が協定の目的に合意すれば直ちに交渉を開始すると述べた。

このほか米中が通商交渉で達した「第1段階」の合意については、中国が輸入する米国の農産品、工業品、エネルギー、サービスの詳細を文書化すると表明。「すべてが文書化される」と述べた。ただ文書がいつ公表されるかについては明らかにしなかった。

また、第1段階の合意は「完全に実施可能」とも発言。米農産品の対中輸出は倍増するとの見通しも示した。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ブラックロック、AI投資で米長期国債に弱気 日本国

ビジネス

OECD、今年の主要国成長見通し上方修正 AI投資

ビジネス

ユーロ圏消費者物価、11月は前年比+2.2%加速 

ワールド

インドのロシア産石油輸入、減少は短期間にとどまる可
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カ…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 8
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 9
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中