ニュース速報

ワールド

米民主、弾劾条項に権力乱用と議会妨害 下院本会議で来週採決へ

2019年12月11日(水)05時05分

トランプ米大統領の弾劾手続きを進める下院民主党は10日、権力乱用と議会妨害の2条項が弾劾訴追の根拠になると発表した。写真は下院民主党幹部ら(2019年 ロイター/JONATHAN ERNST)

[ワシントン 10日 ロイター] - 米下院司法委員会は10日、トランプ大統領弾劾決議案の概要を発表し、権力乱用と議会妨害の2条項を弾劾訴追の根拠とする方針を明らかにした。

司法委は12日に投票を実施し、弾劾決議案を下院本会議に送付するかどうかを決定する。本会議に送られれば、来週にも採決が行われる見通し。下院では野党民主党が多数を占めることから、決議案の可決はほぼ確実とみられている。

トランプ大統領が弾劾訴追されれば、年明け1月から上院で弾劾裁判が始まる公算が大きいが、与党共和党が過半数を握る上院では大統領罷免のハードルは高いとみられる。

下院司法委員会のナドラー委員長は記者団に対し、トランプ大統領が米憲法、2020年選挙の整合性、国家安全保障を脅かしたことを踏まえ、民主党は行動を取らざるを得なかったとし、「大統領でさえ、法を超越することはできない」と強調した。

弾劾条項は、政敵の調査をするようウクライナに圧力を掛けた権力乱用による国家への「裏切り」行為のほか、ウクライナ疑惑を巡る議会調査に対する妨害行為を指摘した。

下院司法委の発表を受け、トランプ大統領はツイッターへの投稿で「魔女狩りだ!」と反発。朝方にも、経済が好調な時期に「何も悪いことをしていない」大統領を弾劾するとは「全くもって政治的狂気だ!」と批判していた。

下院民主党の発表を受け、ホワイトハウスのグリシャム報道官は声明で「トランプ大統領は上院で無実の罪に対応する。大統領は何ら不正は行っておらず、潔白は完全に証明されるだろう」と述べた。また、FOXニュースとのインタビューでは、トランプ大統領が証言するかとの質問に分からないと応じた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

インド経済、11月も高成長維持 都市部消費などが支

ワールド

トランプ氏、プロジェクト遅延巡り防衛企業と協議へ 

ワールド

トランプ氏、マドゥロ氏に退陣促す 押収石油は「売却

ワールド

英予算責任局、来年3月3日に経済・財政予測公表
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中