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焦点:香港人権法案、米議会可決の意味 失う「特別な都市」の地位

2019年11月23日(土)17時02分

 11月21日、米議会下院は、中国の香港に対する介入をけん制するための「香港人権・民主主義法案」を可決した。関係者の話では、トランプ大統領が数日中に法案に署名する見通しだ。写真は星条旗を掲げる香港のデモ隊。9月20日撮影(2019年 ロイター/Jorge Silva)

[上海 21日 ロイター] - 米議会下院は20日、中国の香港に対する介入をけん制するための「香港人権・民主主義法案」を可決した。関係者の話では、トランプ大統領が数日中に法案に署名する見通しだ。[nL3N2810KE]

香港では民主化や自治を要求する人々の抗議活動が5カ月余りも続いており、足元では騒乱がエスカレートしているため、中国政府が鎮圧に向けてより強硬な手段を講じるのではないかとの懸念が出ている。

こうした中で香港人権・民主主義法案は、米国が香港に特別な地位を付与し続けるべきかどうかを「一国二制度」が保証される度合いと結びつける意味合いがある。同時に米下院では、デモ隊に対して使われる催涙ガスやゴム弾などの香港への輸出を禁止する法案も承認された。

<次はどうなる>

これら2つの法案が米議会の上院と下院を通過し、ホワイトハウスに送られた。事情に詳しい複数の関係者は、トランプ氏が署名するとみている。

トランプ氏は拒否権を行使しない限り、10日以内に署名することが求められる。拒否権が発動されると、上下両院それぞれの3分の2が賛成した場合のみこれを覆すことができる。上院のウェブサイトによると、トランプ氏は就任以来6回、拒否権を行使した。

正式に法令化されれば、国務省が少なくとも年1回、米国が香港に通商上の優遇措置を与えるのが妥当なほど香港の自治が維持されているかどうかを確認する。香港で起きた人権侵害の責任者には、米国への入国禁止や資産凍結などの制裁が科せられる。

この法案は象徴的との見方が多いものの、施行されれば米国と香港の関係を一変させ、香港が中国本土の都市と同じ扱いになる可能性も秘めている。

最も重要な問題は中国が1997年に英国から香港を返還された際に、50年間にわたって香港に「非常に高度な自治」を認めると約束したことだ。米国はこれに基づき、香港に特別な地位を付与した92年の法律を維持している。だが抗議をしている人々の主張では、香港の自由はじわじわと損なわれている。

<中国は激怒>

中国は香港人権・民主主義法案に関し、露骨な内政干渉であり国際法違反だと強く非難した。このため正式な法令となれば米中関係はさらに緊迫し、貿易協議に悪影響を及ぼす恐れがある。[nL3N2812P3]

一部の専門家は、米国は香港に特別な地位を与えることが自らのメリットにもなっていただけに、そうした扱いをやめるのは自滅行為だと指摘する。実際、香港が単なる中国の港湾都市の1つになれば、香港と中国だけでなく米国の企業も痛手を受け、香港を仲介役や中継地として利用していた企業は取引を他の地域に移行する公算が大きい。

<香港の特別な地位の重要性>

ビジネスの観点で香港に与えられている特別な地位の最も重要な要素の1つは、中国とは別個の関税と貿易のゾーンとみなされている点だ。つまり現在米国が導入している対中関税も、香港からの輸出には適用されない。

米国務省によると、昨年時点で香港には8万5000人の米国人が居住し、ほぼ全ての大手金融機関を含めて1300余りの米企業が事業を展開していた。香港は対米法務・会計サービスの主要な輸出地域であり、米国のモノの貿易黒字額は311億ドルと国・地域別で最大を記録した。

米通商代表部(USTR)のデータを見ると、昨年の米国と香港の貿易額は推定673億ドル、また米国の対香港の貿易黒字額は338億ドルとやはり国・地域別で最も大きい。

在香港米国商業会議所は、香港の特別な地位に何らかの変更を加えれば、米国の対香港貿易と投資を冷え込ませるばかりか、世界経済で信頼されてきた香港のポジションについて国際的にマイナスのシグナルを送ることになると警告している。

ロイター
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