ニュース速報

ワールド

米大統領が金正恩氏の「保護」約束、首脳会談巡る懸念払拭に躍起

2018年05月18日(金)10時55分

5月17日、トランプ米大統領は米朝首脳会談の開催を巡り北朝鮮側から何ら通達は受けていないと語った。写真は17日、ワシントンで撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 17日 ロイター] - トランプ米大統領は17日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の「保護」は保証されると述べ、米国との首脳会談を巡り警戒感を示している北朝鮮の懸念払拭に努めた。

トランプ大統領は記者団に対し、米朝首脳会談は予定通り開催される見通しとしつつも、会談の開催を巡り中国が金氏に影響力を及ぼしている可能性があると述べた。

大統領は「実際のところ、北朝鮮は何事もなかったかのように日程などすべての事柄を伝えてきている」と語った。

また、北朝鮮の非核化に向け、リビアの故カダフィ大佐に核兵器を放棄させたいわゆる「リビア方式」を模索することは考えていないと強調。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が13日に「リビア方式」について言及したことを受け、北朝鮮は反発。首脳会談の中止も辞さない構えを示している。

こうしたことを背景に、トランプ大統領は自身が目指す合意は金氏に「極めて強力な保護」を与えるものとの認識を示し、「金氏が北朝鮮を運営し、国は非常に裕福になる」と強調した。

さらに「リビア方式はかなり異なるモデルだ。われわれはあの国を倒した」とし、リビア方式が検討されるのは北朝鮮と合意に至らなかった場合のみとし、「あの国に核兵器を持たせるわけにはいかない」と述べた。

北朝鮮は今週に入り、米韓軍事演習を理由に米朝首脳会談の開催を再考する可能性があると表明し、首脳会談の開催を巡り不透明感が高まった。

トランプ大統領は、首脳会談は「実現するなら実現する」とし、さもなければ米国は次の局面に移行すると語った。 さらに、金氏が会談を望んでいないのかもしれないとしながらも、金氏ができる最善のことは米国と合意を得ることとした。

史上初となる米朝首脳会談の実現は、トランプ大統領の外交面での最大の成果となる公算が大きいことから、同会談が中止に追い込まれることになれば、米政権にとっては大きな痛手となる。

*見出しを修正しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は続伸、配当取りが支援 出遅れ物色も

ビジネス

午後3時のドルは156円前半へ上昇、上値追いは限定

ビジネス

中国、25年の鉱工業生産を5.9%増と予想=国営テ

ワールド

中国、次期5カ年計画で銅・アルミナの生産能力抑制へ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中