ニュース速報

ワールド

日米で通商巡り違いあるのは事実=G20で麻生財務相

2018年04月21日(土)12時58分

 4月21日、麻生太郎財務相(写真右)は米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の終了後に記者会見し、日米で通商交渉を巡って違いがあるのは事実との認識を示した。(2018年 ロイター/Yuri Gripas)

[ワシントン/東京 21日 ロイター] - 麻生太郎財務相は米ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の終了後に記者会見し、日米で通商交渉を巡って違いがあるのは事実との認識を示した。日銀の黒田東彦総裁は金融緩和を継続する姿勢を重ねて強調した。

麻生財務相によると、ムニューシン米財務長官には鉄鋼・アルミ関税で日本が対象から除外されなかった問題など保護主義に対する日本側の懸念を伝えた。

同時に「日本としては環太平洋経済連携協定(TPP)11が12(カ国参加)になることが望ましいとの立場。TPPという名前もしくはそういうものの形をよしとしないトランプ大統領との間に意識のずれがあることは、はっきりしている」と述べた。

通商交渉に関しては「構造的なものでやらないと効果がない。日本が輸出したものを上回るほどアメリカに投資している額が多い」と語った。「投資も含めて考えないといけない。貿易収支やモノの収支だけで考えるのはいかがなものか」と強調し、ペンス副大統領とムニューシン財務長官に伝えたことを明らかにした。

一方、為替については「経済全般の話の中に為替が入っていた。その程度の話。為替だけに的をしぼって話をしたわけではない」と述べた。

黒田総裁は「日銀は2%の物価目標が途半ばなので粘り強く強力な金融緩和を維持すると説明した」ことを明らかにした。「各国の中央銀行は、経済や物価動向にあわせて金融政策を正常化するのが適切だ」とも述べ、米利上げの影響に懸念はないとの見方を示した。

黒田総裁はまた「米利上げペースが加速するのではという思惑から米国の長期金利が急上昇したり、各国の株価が不安定な動きをする可能性があり、十分注視する必要がある」と語った。

(竹本能文、木原麗花)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロ・ウクライナ、和平へ「領土交換」必要 プーチン氏

ワールド

トランプ氏「どうなるか見てみよう」、中国との関税停

ワールド

トランプ氏、首都ワシントンに州兵派遣 警察を連邦政

ワールド

エア・インディア、米印首都結ぶ便一時停止 機材不足
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 7
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 8
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中