ニュース速報

ワールド

中国が対米報復関税、128品目に最大25% 「貿易戦争で火花」

2018年04月02日(月)18時16分

 2016年3月、北京の市場で豚肉を切る精肉店員(2018年 ロイター/Jason Lee)

[北京 2日 ロイター] - 中国は、米国によるアルミニウム・鉄鋼輸入関税への報復措置として、米国産の豚肉やワイン、一部の果物、ナッツ類など128品目に対して最大25%の追加関税を導入し、両国間の貿易摩擦がさらに激しさを増している。

中国の財政省が明らかにした今回の追加関税は2日に発動。対象品目は、中国が3月23日に公表していたリストと同じ。

商務省は、世界貿易機関(WTO)と約束した、果物を含む120の米製品への関税引き下げ義務の履行を停止するとし、これらの製品の関税を15%に引き上げた。

豚肉を含む8品目に対する関税は25%となる。

商務省は2日朝に公表した声明で、米国はWTO規則に明記されている無差別原則に対し「深刻な違反」を犯し、中国の国益にも打撃を与えたと批判。「米国に対する中国の義務の一部停止はWTO加盟国として正当な権利だ」と主張した。その上で、2国間の相違は対話と交渉を通じて解決されるべきだとの見解を示した。

報復措置の発表後まもなくして、中国共産党の機関紙、人民日報系の環球時報は論説で、中国が報復しない、あるいは象徴的な対抗策しか取らないと米国が考えていたのなら、「そうした妄想にさよならを言う」時が来たと警告。

「中国と米国は、貿易戦争にあると公式に宣言していなくても、そのような戦争の火花はすでに散っている」としている。

中国は29日、米国に対し、パンドラの箱を開け、世界中で保護主義的慣行をかき立てるのはやめるよう警鐘を鳴らしていた。

「国内世論を気にして中国は強硬に見えるが、最終的には容易に譲歩すると考える人が西側にはいる」と環球時報は論説で指摘。「だが、それは間違っている」と明言した。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ネパール首都は明朝まで外出禁止、市街を兵士巡回 死

ワールド

米政権のワクチン政策、科学的根拠「ある」24%にと

ワールド

ポーランド、ロシア無人機を撃墜 意図的侵入との見方

ビジネス

メタとTikTok、EUの法順守監督手数料巡る裁判
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題」』に書かれている実態
  • 3
    エコー写真を見て「医師は困惑していた」...中絶を拒否した母親、医師の予想を超えた出産を語る
  • 4
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 5
    カップルに背後から突進...巨大動物「まさかの不意打…
  • 6
    富裕層のトランプ離れが加速──関税政策で支持率が最…
  • 7
    毎朝10回スクワットで恋も人生も変わる――和田秀樹流…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    ドイツAfD候補者6人が急死...州選挙直前の相次ぐ死に…
  • 10
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にす…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 4
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 5
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 6
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 7
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 8
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 9
    エコー写真を見て「医師は困惑していた」...中絶を拒…
  • 10
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中