ニュース速報
ビジネス

米エヌビディア、AIインフラの国内構築へ 4年間で5000億ドル

2025年04月15日(火)08時30分

AI(人工知能)半導体大手、米エヌビディアは、台湾積体電路製造(TSMC)を含む企業との提携を通じ、今後4年間で米国に最大5000億ドル相当のAIインフラを構築する計画だと発表した。2月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

Akash Sriram Arsheeya Bajwa

[14日 ロイター] - AI(人工知能)半導体大手、米エヌビディアは、台湾積体電路製造(TSMC)を含む企業との提携を通じ、今後4年間で米国に最大5000億ドル相当のAIインフラを構築する計画を発表した。

今回の発表にはアリゾナ州フェニックスにあるTSMCの工場における最先端AI半導体 「ブラックウェル」の生産が含まれる。また、テキサス州では鴻海精密工業(フォックスコン)、緯創資通(ウィストロン)と共同でスーパーコンピューター製造工場を建設しており、12─15カ月で本格的な生産を開始する見込み。

トランプ米大統領が強硬な関税政策を進める中、米国では製造業と技術サプライチェーン(供給網)の国内回帰の動きが強まっている。

TSMCは今後数年間で米国に1000億ドルの追加投資を行い、5つの半導体工場を新たに建設する計画を先月発表した。米西部アリゾナ州フェニックスの工場で先端半導体の生産を開始した。

D.A.デービッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は、「トランプ政権からの圧力がなければ、エヌビディアが米国に生産拠点を移すことはなかっただろう」と述べた。

「5000億ドル(という投資規模)はアップルが同額の約束をしたのと同様に、誇張された表現である可能性が高い」との見方を示した。

エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は「米国内に製造拠点を加えることで、AI半導体とスパコンに対する需要の高まりに対応し、サプライチェーンを強化し、柔軟性を高めることが可能になる」と述べた。

エヌビディアは米国でAI半導体とスパコンを製造することで、今後数十年で数十万人の雇用が創出されるとの見通しを示した。

トランプ大統領はエヌビディアの投資について、ホワイトハウスで記者団に、「(トランプ氏の)11月5日の大統領選(の勝利)によるもので、関税のためだ」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イラン、核施設の「深刻な損傷」認める 米攻撃で=ア

ビジネス

ステランティス、長期戦略計画の見直しに着手=新CE

ワールド

中台の歴史解釈巡る舌戦過熱化、頼総統の台湾「1つの

ビジネス

香港中銀が為替介入、ペッグ下限到達で12億米ドル売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 5
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 6
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 7
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 8
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 9
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 10
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 8
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中