ニュース速報
ビジネス

英製造業、今なおブレグジットの弊害と格闘=調査

2023年12月06日(水)10時45分

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)から3年を経た今でも、英製造業企業の9割がEU域内企業との取引に支障を抱えており、多くの企業は熟練労働者を採用しにくいという問題とも格闘していることが、英製造業団体「メイクUK」が実施した調査で明らかになった。写真は、英・ワシントンにある軍需工場の内部。2023年11月8日に撮影。(2023年 ロイター/Phil Noble)

Suban Abdulla

[ロンドン 6日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)から3年を経た今でも、英製造業企業の9割がEU域内企業との取引に支障を抱えており、多くの企業は熟練労働者を採用しにくいという問題とも格闘していることが、英製造業団体「メイクUK」が実施した調査で明らかになった。

英国はブレグジットに伴い、2020年12月にEUとの間で関税ゼロの貿易を可能にする通商協力協定(TCA)を結んだ。

それでも219社対象の調査では、90%の製造業企業が、ブレグジットに伴う手続きが未だにEUとの貿易の障害になっていると答えた。

メイクUKのスティーブン・フィップソン代表は「英国がEUを離脱して以来、企業はTCAの新たな貿易手続きと、新型コロナウイルスのパンデミックに伴う世界的な混乱が相まって大わらわだ」と述べた。

製造業企業の44%は、EU諸国から熟練労働者を採用しにくいという問題を未だに抱えているとした。英国では幅広い産業が、過去に例を見ない厳しい人手不足に直面している。

メイクUKは、英国はEUと協力して関税手続き書類の簡素化や、英・EU間貿易促進のためのプログラムの導入、EUの労働者へのアクセスを容易にする措置に取り組むべきだと訴えた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国、26年投資計画発表 420億ドル規模の「二大

ワールド

ロシアの対欧州ガス輸出、パイプライン経由は今年44

ビジネス

スウェーデン中銀、26年中は政策金利を1.75%に

ビジネス

中国、来年はより積極的なマクロ政策推進へ 習主席が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中