ニュース速報

ビジネス

中国不動産会社の一部に上場廃止リスク、清算に追い込まれる恐れ=S&P

2023年06月08日(木)09時03分

 経営が厳しい一部の中国の不動産企業は上場廃止リスクに直面しており、それは再建に向けた選択肢を減らして清算に追い込まれやすくなる道だ──。S&Pグローバル・レーティングスは7日、こうした見方を示した。北京で2022年7月撮影(2023年 ロイター/Thomas Peter)

[香港 7日 ロイター] - 経営が厳しい一部の中国の不動産企業は上場廃止リスクに直面しており、それは再建に向けた選択肢を減らして清算に追い込まれやすくなる道だ──。S&Pグローバル・レーティングスは7日、こうした見方を示した。

中国では2021年半ば、政府が不動産会社の借り入れ規制に乗り出すと、最大手の恒大集団の財務が悪化し、これが業界全体に波及してこれまで苦境が続いている。

一方不動産各社はアジアにおいて最大級の高利回り債発行体でもあり、多くはデフォルト(債務不履行)に陥った後、上場株を活用してオフショア債の再編に取り組もうとしているところだ。

ただ上海証券取引所は6日、四川藍光発展を中国本土A株の不動産会社として初めて上場廃止とした。4月には新力控股が香港での上場が廃止となっている。

こうした中でS&Pは、中国本土では上海世茂や陽光城集団を含む不動産11社が上場廃止のリスクを抱えていると指摘した。これら11社によるオフショア債とオンショア債の発行残高は計210億ドルに上る。

S&Pのクレジットアナリスト、エスター・リュウ氏は「(上場廃止は)中国の不動産会社が経営持ち直しにこぎ着け、投資家にとっては出資金を取り戻すためのさまざまな選択の道を閉ざしてしまう」と述べ、破産法適用以外の方法での再建を模索しようという関係者に冷や水を浴びせると付け加えた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイ首相、議会解散表明 45─60日以内に総選挙

ワールド

トランプ氏、州レベルのAI法抑制へ大統領令

ビジネス

午前の日経平均は反発、TOPIX高値更新 景気敏感

ワールド

原油先物上昇、米・ベネズエラの緊張受け 週間では下
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 4
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 5
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 6
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 7
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 8
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 9
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 10
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中