ニュース速報

ビジネス

証券監視委、SMBC日興に行政処分勧告 相場操縦巡り

2022年09月28日(水)17時41分

 9月28日、証券取引等監視委員会は、SMBC日興証券に対して、金融商品取引法違反(相場操縦)により行政処分を出すよう金融庁に勧告した。写真はSMBC日興証券のロゴ。2017年12月、都内で撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 28日 ロイター] - 証券取引等監視委員会は28日、SMBC日興証券に対して、金融商品取引法違反(相場操縦)により行政処分を出すよう金融庁に勧告した。また、三井住友銀行との間でファイアウオール規制に反した情報共有も認められた、としている。

SMBC日興は、企業の大株主から一括で株を買い取り別の投資家に転売する「ブロックオファー」取引を成立させるために、10銘柄で自己資金を使った買い支えを行った。これは金融商品取引法で禁じられた相場操縦にあたるとし、前副社長ら幹部6人と同社が起訴されている。

監視委は、相場操縦のほか、売買審査態勢の不備やブロックオファーに関わる業務運営態勢の不備も指摘した。

ファイアウオール規制違反については、法人顧客から情報共有の停止、もしくは情報共有の同意を得ていないことを認識しながら、三井住友銀行との間で、非公開情報の授受を複数回にわたって行い、社内で共有していたという。監視委によると、2020年12月から行った検査により見つかった。

上場企業の株式売り出し、買収とそれに伴う資金調達、子会社の株式公開買い付け(TOB)という事例で情報の受領がされており、監視委では「銀証間で情報の授受を行ってはならないことを認識しながら、案件獲得という利益を優先した。執行役員自らが非公開情報の受領や情報共有に関与している」とし、法令等の順守意識が希薄だと指摘した。

三井住友フィナンシャルグループとSMBC日興証券は「勧告内容を厳粛に受け止め、引き続き全社をあげて改善・再発防止に取り組み、信頼回復に努める」とのコメントを発表した。

三井住友FGの責任について、監視委は「金融庁で対応を考える」としている。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

COP30が閉幕、災害対策資金3倍に 脱化石燃料に

ワールド

G20首脳会議が開幕、米国抜きで首脳宣言採択 トラ

ワールド

アングル:富の世襲続くイタリア、低い相続税が「特権

ワールド

アングル:石炭依存の東南アジア、長期電力購入契約が
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中