ニュース速報

ビジネス

シカゴ連銀総裁、中立金利上回る利上げ想定 7・9月にはペース鈍化望む

2022年05月18日(水)12時12分

 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は5月17日、金融引き締めを「前倒し」で実施後、インフレ動向や金利上昇の労働市場への影響を精査する時間を確保するために「慎重な」利上げペースに移行することが望ましいとの見方を示した。2020年2月、メキシコ市で撮影(2022年 ロイター/Edgard Garrido)

[17日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は17日、金融引き締めを「前倒し」で実施後、インフレ動向や金利上昇の労働市場への影響を精査する時間を確保するために7月か9月までに利上げペースを鈍化させることが望ましいとの見方を示した。

エバンズ氏はニューヨーク市での講演で、インフレ率が「過度に高い」ため、連邦準備理事会(FRB)は迅速に政策金利を約2.25─2.5%の中立レンジに引き上げる必要があると指摘した。

講演後、記者団に対し、FRBは中立金利を上回る水準まで政策金利を引き上げる必要があると想定しているが、それによって経済成長に影響が出始める時期が正確には分からない点や他のリスクが急に生じる可能性などから、中立金利を超える水準までの利上げには慎重にならざるを得ないと発言。

そのため、現在50ベーシスポイント(bp)の利上げ幅を7月か9月には縮小させる議論がなされるとし、12月までには50bpの利上げは終了し、少なくとも25bp幅に移行しているとの見方を示した。

また、インフレが十分に改善しない、あるいは雇用の最大化が難しくなるほど景気が悪化する場合など、FRBは必要に応じて政策を調整できると指摘。

現在の総需要や雇用需要の力強さや今後見込まれる供給サイドの改善を踏まえると、小幅に引き締める金融政策スタンスが成長中の経済に依然合致すると思われると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中