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ホンダの今期、営業益横ばい見込む 販売回復も原材料高が響く

2021年05月14日(金)21時10分

 5月14日、ホンダは2022年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期並みの6600億円になる見通しと発表した。写真は同社のロゴ。都内で2019年2月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-hoon)

[東京 14日 ロイター] - ホンダは14日、2022年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期(6602億円)からほぼ横ばいの6600億円になる見通しと発表した。前期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた四輪や二輪の販売は回復を見込むが、原材料価格の高騰などが響く。

会社予想は、アナリスト19人による予想平均値(IBESのコンセンサス予想、7660億円)を下回った。

今期は販売増などが営業利益を前期から約3300億円押し上げる一方、原材料価格の高騰が重くのしかかる。コスト削減などで2000億円超の改善を見込むが吸収しきれず、営業利益を510億円圧迫する。さらに販売金融事業でのクレジット損失引当金が減った反動などで販売費と一般管理費が約2200億円増える。研究開発費もかさむ。

今期の売上収益は前期比15.4%増の15兆2000億円、純利益は10.3%減の5900億円を見込む。配当は中間・期末とも55円ずつとし、年間では前期と同じ110円を予想する。前提為替レートは1ドル=105円(前期は106円)に設定した。

原材料の高騰に加え、半導体の供給不足が引き続き懸念材料。倉石誠司副社長はオンライン会見で、半導体不足による影響で一部拠点で「生産調整を実施している」と説明した。「部品の供給状況は日々変化しており、グローバルで生産調整を行う。下期には挽回し、通年で事業への影響を最小化してきたい」と述べた。

ただ影響が出ても今期利益計画は「守り切りたい」とした。今期の減産規模など具体的な言及は控えたが、前期は生産への影響は約10万台あったという。

今期の世界販売計画(小売ベース)は、四輪が前期比9.9%増の500万台で、半導体不足などによるリスクも織り込んだ。市場別では、日本は8.9%増の64万5000台、北米は14.8%増の170万台、アジアは7%増の240万5000台。二輪が19%増の1800万台を見込む。

コロナの感染拡大が深刻化しているインドの事業は、倉石副社長によると、現時点で約8割の販売店が休業している。操業停止中の二輪と四輪の現地工場の再開時期は、状況を見ながら慎重に見極めるという。同社はインドの二輪工場は5月1日─15日まで、四輪工場は7日─18日までの操業停止を決めている。

同時に発表した21年3月期(前期)連結決算は、売上収益が前の期比11.8%減の13兆1705億円、営業利益が4.2%増の6602億円、純利益が44.3%増の6574億円だった。コロナで販売は減少したが、販管費抑制やコスト削減が寄与。北米での販売金融事業におけるクレジット損失引当金の計上差による一時的な増益効果もあった。

*会見内容などを追加しました。

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