ニュース速報

ビジネス

ECB、国債利回りの目標ない 機械的な対応せず=専務理事

2021年02月26日(金)19時23分

 2月26日、欧州中央銀行(ECB)のレーン(写真)、シュナーベル両専務理事は、ECBは最近の国債利回りの上昇を注視しているが、特定の金利水準を目標としたり、市場の動きに機械的に反応したりすることはないとの立場を示した。パリで2019年11月撮影(2021年 ロイター/GONZALO FUENTES)

[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のレーン、シュナーベル両専務理事は26日、ECBは最近の国債利回りの上昇を注視しているが、特定の金利水準を目標としたり、市場の動きに機械的に反応したりすることはないとの立場を示した。

過去数週間で世界的に国債利回りが上昇しており、ECBがどの時点で資産買い入れ拡大に動くかに注目が集まっている。

レーン氏は26日付のスペインのエクスパンシオン紙に「現段階で、利回りが過度にタイトニングすれば、インフレ・パスに対するパンデミック(世界的大流行)の衝撃との戦いと矛盾することになる」と発言。

「ただ、これは非常に明確だが、われわれが特定の利回りを一定に保つためにイールドカーブ・コントロールに関与することはない」と述べた。

レーン氏は、インフレ率は確かに上向いているが、ECBが目指している水準にはまだ達していないとも発言。

「現在われわれが目にしているのは、インフレ・パスの大幅かつ持続的な変化ではない」とし、インフレ率は依然として極めて低く、ECBによる刺激策が必要だと述べた。

専務理事は、ユーロ圏がパンデミックによる不況から第2・四半期に脱し始めると予測。現在のロックダウン(都市封鎖)の影響は1年前ほど深刻ではないだろうと述べた。

10年物独連邦債利回りは現在マイナス0.223%と年初時点のマイナス0.60%前後から上昇している。

シュナーベル氏は景気回復局面の序盤に実質長期金利が上昇すれば、成長を阻害する恐れがあるためECBの対応が正当化されるとの見解を示した。

その一方で「インフレ期待の高まりを反映した名目金利の上昇は(ECBの)政策が実を結んでいることを示す歓迎すべきサインだ」とし「実質金利の緩やかな上昇も成長通しの改善を反映していれば、必ずしも懸念要因にはならないかもしれない」と語った。

*シュナーベル専務理事の発言を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 3
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 4
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 5
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    【クイズ】未踏峰(誰も登ったことがない山)の中で…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中