ニュース速報

ビジネス

英スタンチャート、第3四半期は40%減益 貸倒引当金を積み増し

2020年10月29日(木)15時17分

 10月29日、英銀行大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)が発表した第3・四半期決算は40%の減益となった。写真は香港で2017年8月撮影(2020年 ロイター/Bobby Yip)

[香港/ロンドン 29日 ロイター] - 英銀行大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)が発表した第3・四半期決算は40%の減益となった。新型コロナウイルスの流行に伴う貸倒引当金の積み増しや金利低下が響いた。

ただ、コスト削減を強化したため、利益は市場予想を上回った。

第3・四半期の実質ベースの税引き前利益は7億4500万ドル。前年同期の12億4000万ドルを下回った。同行がまとめたアナリスト予想の平均は5億0200万ドルだった。

第3・四半期の貸倒引当金は前年同期比27%増の3億5800万ドル。第2・四半期の6億1100万ドル、市場予想の6億1400万ドルは大幅に下回った。

スタンチャートによると、今年下半期の貸倒引当金は上半期よりも少なくなるとの見通しを強める結果になったという。ただ、「政府支援で一部は緩和されているものの、新型コロナウイルスによる経済への圧力は甚大であり、将来の貸し倒れについて、規模やタイミングを正確に予測することは困難だ」と指摘した。来年については、顧客からの需要は増加する見通しだとした。

ビル・ウィンターズ最高経営責任者(CEO)は「金利低下が引き続き利益に悪影響を及ぼしているが、多少の遅れは生じるものの、依然として財務目標を十分達成できる状態にある」との声明を発表した。

多くの大手銀行は、新型コロナの流行に伴う不良債権の増加、利ザヤの縮小、超低金利・マイナス金利などで打撃を受けており、コスト削減と事業の再編を進めている。

スタンチャートは先月、一部事業の統合と上級管理職の削減を発表した。

スタンチャートと英同業のHSBCは今年、株価が半値近くに下落。重要な市場である香港の政治情勢の不透明化にも直面している。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

オランダ企業年金が確定拠出型へ移行、長期債市場に重

ワールド

シリア前政権犠牲者の集団墓地、ロイター報道後に暫定

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ麻薬積載拠点を攻撃と表明 初

ワールド

韓国電池材料L&F、テスラとの契約額大幅引き下げ 
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中