ニュース速報

ビジネス

独コメルツ銀、CEOと監査役会会長が辞任へ 大株主が改革要求

2020年07月05日(日)10時10分

 7月3日、独コメルツ銀行のツィールケ最高経営責任者(CEO、写真)とシュミットマン監査役会会長が辞任に追い込まれた。2月13日、フランクフルトで撮影(2020年 ロイター/Ralph Orlowski)

[フランクフルト 3日 ロイター] - 独コメルツ銀行のシュミットマン監査役会会長とツィールケ最高経営責任者(CEO)が、同行に戦略転換を迫る大株主の動きを受け、辞任に追い込まれた。

大株主の米投資会社サーベラスは6月、業績悪化を食い止められない経営陣に対し、コスト削減や新たな監査役ポストを要求するなど抜本的な改革を訴えてきた。

コメルツ銀の発表によると、監査役会の委員会が3日、ツィールケCEOの辞任申し出について協議を行った。委員会は8日の会合で監査役会に辞意受け入れを提言するという。

同CEOは「新たなスタートに道を開きたい。(コメルツ銀は)大きな変革と、戦略実行に必要な時間を市場から得られる新たなCEOが必要だ」と述べた。

関係筋がロイターに明らかにしたところによると、サーベラスは3日、CEOらの辞任自体に驚きはないが、タイミングには驚いたという。経営ポストの空席を埋めるため、政府や従業員と協力していく意向だ。

ドイツ政府はコメルツ銀の株式約16%を保有する筆頭株主。財務省は声明で、同行との関係に完全にコミットしていると表明。「コメルツ銀は中小企業や輸出企業の資金調達で中心的な役割を担っている」とした。

複数の主要投資家は、INGグループから最近、コメルツ銀行に移籍したローランド・ブックハウト氏がツィールケCEOの有力後任候補との見方を示した。

同氏およびコメルツ銀は取材に応じていない。

コメルツ銀は2019年、ドイツ銀行との合併を目指したが、協議は決裂した。

経営幹部の辞任を受けて、両行の合併を巡る観測が再び浮上する可能性がある。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ロイターネクスト:米第1四半期GDPは上方修正の可

ワールド

プーチン氏、5月に訪中 習氏と会談か 5期目大統領

ワールド

仏大統領、欧州防衛の強化求める 「滅亡のリスク」

ビジネス

米キャタピラー、4─6月期の減収見込む 機械需要冷
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中