ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏3月CPI速報、前年比+0.7%に鈍化 デフレスパイラル予想も

2020年03月31日(火)20時14分

3月31日、欧州連合(EU)統計局が発表した3月の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比0.7%上昇で、2月(1.2%上昇)から伸びが大幅に減速した。マドリードのマーケットで2013年1月撮影(2020年 ロイター/Juan Medina)

[ブリュッセル 31日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が発表した3月の消費者物価指数(HICP)速報値は前年比0.7%上昇し、2月(1.2%上昇)から伸びが大幅に減速した。

原油を巡るサウジアラビアとロシアの対立を受けエネルギー価格が下落したほか、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動がほぼまひしたことが背景。欧州中央銀行(ECB)の目標である2%弱が一段と遠のいた。デフレスパイラルが始まったシグナルとの見方もある。

ロイターがまとめたエコノミストの予想は前年比0.8%上昇だった。

新型コロナの影響で、総合指数が年央までにマイナス圏に沈むと予想するエコノミストも多い。

エネルギー価格は前年比4.3%下落。一方、未加工食品は3.5%上昇した。これらを除外した、ECBがコアインフレ率と呼ぶ消費者物価は前年比1.2%上昇し、前月(1.3%上昇)から若干減速した。エコノミスト予想と一致した。

エネルギー、未加工食品に加えてアルコール、たばこを除外したベースでは前年比1.0%上昇。前月は1.2%上昇、エコノミスト予想は1.1%上昇だった。

国連の国連食糧農業機関(FAO)は、新型コロナ対策として導入された移動制限や都市封鎖によって季節労働者の移動や加工食品の出荷が困難になり、食品価格に今後さらに上昇圧力がかかると警告している。

しかし、原油価格の下落や経済活動の低迷による下落圧力の方が大きくなる可能性が高く、CPIの上昇率はECBの目標をかなり下回った状態が続くとみられている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米政権、電力施設整備の取り組み加速 AI向

ビジネス

日銀、保有ETFの売却開始を決定 金利据え置きには

ワールド

米国、インドへの関税緩和の可能性=印主席経済顧問

ワールド

自公立党首が会談、給付付き税額控除の協議体構築で合
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中