ニュース速報

ビジネス

イオン、23年ぶりに社長交代 岡田氏は会長・吉田副社長が昇格

2020年01月10日(金)18時35分

 1月10日、イオンは、3月1日付で岡田元也社長が退任し、後任に吉田昭夫副社長が昇格する人事を発表した。写真はイオンのロゴ。千葉市で2016年11月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[千葉 10日 ロイター] - イオン<8267.T>は10日、3月1日付で岡田元也社長(68)が退任し、後任に吉田昭夫副社長(59・イオンモール社長)が昇格する人事を発表した。岡田社長は代表権のある会長に就任する。吉田氏を社長に昇格させ、同氏が手掛けてきた海外事業やデジタル事業などの強化を図ることになる。イオンの社長交代は23年ぶり。

グループ最高経営責任者(CEO)は岡田氏が引き続き務める予定。

岡田社長は会見で「想定外でも対処できる新しいイオンのリーダーになってほしい」と期待を込めて話した。岡田社長によると、企業が大きくなることで、事業機会やチャンスを逃す、リスクを取らないことも多くあったという。新社長には、何か事が生じてから対処するのではなく、予測をし、先を読んで手を打つことを求めた。

吉田次期社長は、今後さらに重要になるデジタル戦略について「オンラインとリアルを対抗として考えるのではなくシームレスに考える。そのなかで、リアルの強みをどう出すかだ」と指摘した。また、人材育成にも力を入れる考えを示し「環境変化が速い中で、現場から動くことができる人材は財産」と述べた。

吉田氏は5月の定時株主総会の決議を経て取締役に就任する予定で、岡田取締役兼代表執行役会長と吉田取締役兼代表執行役社長による経営体制に移行する。

新組織は今後議論を進め、2月までに決め、3月1日から新体制をスタートさせる。両者の役割分担はまだ決まっていないとしながらも「ほとんどは吉田次期社長が担う」(岡田社長)という。岡田社長は長期戦略などに携わることになる。

岡田氏は創業家出身で、1997年6月に前身のジャスコ社長に就任以来、トップを担い続けてきた。2012年3月からはグループCEOも務めていた。吉田氏は1983年にジャスコ入社。中国事業の担当を経て、直近ではデベロッパー事業、デジタル事業を担当している。

岡田社長の長男、尚也氏は現在、イオングループのオーガニック専門スーパー「ビオセボン・ジャパン」の社長を務めている。かつては、世襲はないと言い切っていた岡田氏だが、社長交代会見で改めて考えを聞かれ「そういう考えなら入社させることも良くなかったのかもしれない。私がサクセッションプランにいるかどうか分からないし、本人がどう考えるかもわからない」と歯切れの悪い答えにとどまった。

*内容を追加しました。

(清水律子)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、米国に抗議 台湾への軍用品売却で

ワールド

バングラデシュ前首相に死刑判決、昨年のデモ鎮圧巡り

ワールド

ウクライナ、仏戦闘機100機購入へ 意向書署名とゼ

ビジネス

オランダ中銀総裁、リスクは均衡 ECB金融政策は適
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 7
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 8
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 9
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 10
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中