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欧州の景気後退リスク、「非常に低い」=ECB副総裁
11月14日、欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁(写真)は、ECBは金融政策の効果を維持するために、政策の「ツールキット」を拡大する必要があるとの見解を示した。9月13日、フィンランドのヘルシンキで撮影(2019年 ロイター)
[14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は14日、欧州のリセッション(景気後退)リスクは「非常に低い」とした一方、ユーロ圏の各国政府は、財政黒字国に限らず、域内経済の回復を支援しなければならないとの見解を示した。
副総裁は欧州の成長率は依然として「潜在成長率を下回っている」とした上で、ECBは情勢に「細心の注意を払う」必要があると主張。経済活性化に向けた措置が講じられないのなら、当局は「ジャパニフィケーション(日本型の景気低迷)」リスクに立ち向かう必要があるとした。
一方で、欧州は信用バブルが発生しておらず、過去の日本よりも財政政策の余地があるという点で異なっており、ジャパニフィケーションという言葉は単純化し過ぎていると語った。
また各国政府による「総合的な」財政政策が必要であるとし、財政黒字国には財政面での支援強化を、財政赤字国には継続的な赤字削減を求めた。
金融政策については、自身の考えとして、中央銀行は伝統的な金融政策以外の手段も活用しなければならないという意味で「ツールキットをもっと広げる必要がある」と述べた。
ECBは現在、インフレ率は2%弱の水準に維持するための金融政策およびその手段について見直しを進めている。
欧州中央銀行(ECB)は9月12日の理事会で、利下げや量的緩和(QE)の再開など包括的な追加金融緩和策の導入を決定。市中銀行が余剰資金をECBに預け入れる際の適用金利である預金金利を現行のマイナス0.4%からマイナス0.5%に引き下げた。
副総裁は現在のユーロ圏の金融安定性リスクとして銀行の収益性の低さを指摘。銀行の低収益性はマイナス金利政策の負の側面の現れであると認める一方で、ECBの政策よりも銀行システムの過剰能力など「構造的な」問題の方が主因と強調した。
欧州の銀行同盟構想を巡る行き詰まりを解消し、進展を図るべきとのショルツ独財務相の呼び掛けには賛同を示した。
*内容を追加しました。