ニュース速報

ビジネス

英CPI、6月は前年比+2.4%で横ばい 来月の利上げ見通し後退

2018年07月18日(水)23時57分

 7月18日、英国立統計局(ONS)が発表した6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.4%となり、5月と変わらず、予想(2.6%)に反して伸びは加速しなかった。写真はイングランド銀行、ロンドンで4月撮影(2018年 ロイター/Hannah McKay)

[ロンドン 18日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.4%となり、5月と変わらず、予想(2.6%)に反して伸びは加速しなかった。

市場では来月の利上げ見通しが後退。CPIの発表を受けポンドは1.30ドルに向かって下落し、10カ月ぶりの安値を付けた。また、英10年物国債利回りは5月末以来の低水準となった。

投資管理会社フィデリティ・インターナショナルの投資担当ディレクター、トム・スティーブンソン氏は「物価の伸びが加速していれば英中銀による来月の利上げを援護していただろう。今回のCPIにより、金利が再び据え置かれる可能性が高くなったように思える」と述べた。

金融市場では、来月に英中銀が行動を起こす確率は約70%織り込まれており、CPI発表前の約80%から低下した。

6月のコアCPI上昇率は1.9%と、5月の2.1%から伸びが鈍化。ロイター調査での全ての予想を下回り、2017年3月以来の低水準となった。

製造業産出価格は3.1%上昇。伸び率は予想をやや下回ったものの、5月の3.0%からは拡大し、今年の最高水準となった。輸入品が多くを占める原材料価格が10.2%上昇した。

また、ONSによると、5月の英住宅価格は前年比3.0%上昇。伸び率は4月の3.5%から縮小し、13年8月以来の低水準となった。ロンドンの住宅価格は0.4%下落した。

一部アナリストの間では、6月は衣料品のほかコンピューターゲームや航空運賃など変動の激しい品目が軟調だったことで物価上昇が抑制されたとの見方が出ている。

ONSによると、衣料品は6月としては12年以来、前月比で最大の下落を示した。

一方、輸入が大部分を占める素材は前年比10.2%上昇と、約1年ぶりの大きな上昇となった。

エコノミストは「このところの原油高の影響がサプライチェーンを通して浸透すれば、インフレは短期的に上向く可能性がある」としている。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ政権、肥満治療薬を試験的に公的医療保険の対

ビジネス

パウエル氏利下げ拒否なら理事会が主導権を、トランプ

ビジネス

ダイムラー・トラック、米関税で数億ユーロの損失計上

ワールド

カンボジア、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦へ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 5
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 9
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 10
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 8
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中