ニュース速報

中国、「製造2025」戦略推進を抑制 米中協議に配慮か

2018年12月13日(木)08時48分

[北京 12日 ロイター] - 中国は習近平国家主席肝煎りの産業政策である「中国製造2025」戦略推進の手綱を緩めつつある。国営メディアが12日に報じた地方政府向けの新たなガイダンスで明らかになった。

2015年に発表された中国製造2025戦略は、ロボット工学、航空宇宙、新エネルギー車などの重点分野の競争力を引き上げ、2050年までに世界的なスーパーパワーになる目標達成に向けた中核的な戦略。同戦略に基づき技術獲得に向けあからさまな政府助成が行われていることなどに欧米は警戒感を示しており、米中が通商協議を進める中、米政府の苛立ちの根源となっている。

中国国務院(内閣に相当)は16年の地方政府に対するガイダンスで、中国製造2025戦略を推進した地方政府を優先的に支援すると明記。しかし、国営メディアが報じた新たなガイダンスからは同戦略に関する文言が削除されている。

また国務院は新たなガイダンスで、輸出促進、および外国からの投資拡大に向けた一段の取り組みのほか、インフラ構築と水質汚染対策への注力を呼び掛けている。

一方、今回のガイダンスでは石炭・鉄鋼産業の過剰生産能力削減に向けた取り組みに対し、今後は追加的資金は提供しないと明記。中国が過剰生産能力の削減計画を達成した可能性がある。

ロス米商務長官は、米国や他国からの反発を受けて中国が戦略の推進を抑制しているのは明らかだとする一方、「取りやめたわけではない」と指摘した。

長官はCNBCテレビに対し、中国の技術高度化が進むことを見込んでおり、それ自体に反論はないと述べた。その上で「機密情報を盗んだり、技術移転を義務付けたりといった不適切な手段を用いることに反対している。公平な環境である限り、われわれは喜んで中国と正面から競争する」と語った。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこの日、中国は「中国製造2025」戦略を外国企業により多くのアクセスを提供する新たなプログラムに置き換えることを計画していると報道。関係筋の話として、中国は「中国製造2025」戦略の代替となる、外国企業の参入に開放的な戦略の策定を進めているとし、新たな戦略は米中が通商協議を加速化させると見られる来年初旬に発表される見通しと報じた。

同報道を受け、米株価は約1%上昇した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

財政支出で市場金利上昇の場合、投資減少の「可能性あ

ビジネス

消費者態度指数3月は前月比6.4ポイントと大幅低下

ワールド

ベネズエラ暫定大統領、5月に「責任ある賃上げ」 額

ワールド

南アジア地域の26年経済成長率、6.3%に鈍化=世
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 4
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 5
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 6
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 7
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 8
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    アメリカとイランが2週間の停戦で合意...ホルムズ海…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 5
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 6
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 7
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中