数学や中国語の能力においてはDeepSeek-V3はかなりの大差で上回っているし、コーディングでも7種類の試験のうち2つではClaude-3.5に負けているものの、ほかの5つの試験の成績ではGPT-4oとClaude-3.5のいずれよりも優れている。

今後、DeepSeek、GPT、Claude、さらにメタのLlamaやアリババのQwenなども加わって、バージョンアップするたびに抜きつ抜かれつの競争が繰り広げられていくであろう。だが、こうした競争を指して「覇権争い」と呼ぶのはミスリーディングである。

「覇権(ヘゲモニー)」とは、ある国や勢力が政治力や軍事力などで他の国や勢力を圧倒する状況を指す。そこから転じて、特定の企業や技術が圧倒的なシェアを持つときに「覇権を握った」と表現することもある。但し、「覇権」が成り立つのは、その企業ないし技術を利用することが、他の企業や技術を利用することの妨げとなったり、他を利用する必要がなくなるときである。

企業や技術の間の競争を「覇権争い」と呼ぶのにふさわしい例としては、パソコンのOSを挙げることができる。過去30年ほどにわたってマイクロソフトのWindowsが圧倒的なシェアを占めてきた。パソコンにWindowsが入っていれば、他のOSを使う必要がないのでWindowsには排他性があり、Windowsは覇権を握っているといってよい。

天安門事件のことはChatGPTに聞けばいい
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