それにポケモンは韓国でもアニメが放映されていたので、今の20〜30代はポケモンの世界を理解していて、すぐゲームにはまった。15年ほどまでに、韓国のシャニーという菓子パン会社が、ポケモンシールおまけ入り菓子パンを発売、一大ブームを巻き起こしたことがある。子供たちがシールだけ残してパンを捨てることも頻繁にあって、食べ物におまけをつけていいのかと問題になったほど人気だった。韓国では、「子供のころ夢中になって集めたポケモンシールを思い出す。街を歩くとあのキャラクター達がスマートフォンの画面に出てくるから面白い」と話す人も多かった。
ポケモンGOのタイミングもよかった。韓国ではスマートフォンが国民の9割に普及、人気のアプリもひと通り経験して、何か新しいアプリはないかな──、という時にポケモンGOが登場した。2011年韓国のキャリアKTがサービスしたポケモンGOに非常に似たARゲーム「Ollehキャッチキャッチ」は、タイミングが早すぎたせいか、なかなかユーザーを確保できず、いつの間にかサービスが終わっていた。
韓国でポケモンGOが大ブームになった決定的な理由は、地域限定で希少価値があったからともいえる。韓国でポケモンGOに火が付いたのは、7月初旬、北朝鮮の下あたり、韓国の東海岸にある束草(ソクチョ)市ではなぜかポケモンGOをプレイできるという噂が広がったことから始まる。
真相を確かめるべく、ゲームマガジンの記者らが束草市に行ってみたところ、本当にプレイできることがわかった。韓国では正式サービスをしていないポケモンGOを束草市で記者らがプレイする記事が公開されてから、韓国ではポケモンGOフィーバーが始まった。小中高校と大学の夏休みだったこともあり、ソウルから束草行の高速バスは全席完売が続き、束草市にポケモンGOをプレイしに行くツアーバスが登場した。SNSでは続々束草市でポケモンGOをプレイしている様子が書き込まれた。誰よりも早く新しいことをしてSNSで自慢したい、という国民性も人々をポケモンGOに走らせた。