決して安くないナイキ製品をわざわざ購入する人は、ブランドの持つ価値観や信念の格好良さに加えて、仲間意識にもお金を払っている。敵がいると仲間意識が強くなることは、現在のアメリカ政治も示している。ナイキジャパンのCMをたたく日本人は多いようだが、彼らはもともとナイキのバイヤーペルソナではない。彼らがCMを叩けば叩くほど、メッセージを肯定したくなる人は出てくるだろう。

また、ナイキのCMを見るのはその国の人だけではない。アジアでは、中国などのほうが日本よりはるかに重要な市場となっている。バイヤーペルソナではない人々が「日本をおとしめるな」と怒るのは、多くの意味で的外れだ。

<本誌2020年12月15日号掲載>

【動画】ナイキジャパンのCM「動かしつづける。自分を。未来を。」
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