<企業への忠誠心がほとんどないミレニアル世代の才能を開花させるには、遠慮しないで相手の問題点を率直に伝える「Radical Candor」こそ有効>
アメリカの、特にIT業界では「企業文化(Corporate culture)」という言葉が目に付く。だがメディアで取り上げられるのが、社内フィットネスセンター、無料グルメ・ランチ、無料ヨガ教室といったトピックなので、ただの浅はかな流行のような印象を与えがちだ。
だが、それは誤解だ。
常に競合を視野に入れて成長を続けなければならないIT企業にとって、競合よりも優秀な人材を確保するのは死活問題だ。「企業文化」はそのためにある。
最近になって「企業文化」が重視されるようになったのには、社会的な変化が影響している。
アメリカでも、1960~80年代くらいまでは、大卒のエリートにとって「大企業就職」と「終身雇用」が常識だった。当時は、大企業で平社員から社長まで上り詰めるのが典型的なアメリカンドリームだったのだが、「ミレニアル世代」のアメリカの若者は違う。
大学卒業後、必ずしも大企業に就職したいとは思わない。そして、企業への忠誠心もほとんどない。一カ所に落ち着くつもりはなく、もっと良い場所があれば、迷わず転職する。
こういった特徴を持つミレニアル世代の人材は、獲得するだけでは足りない。会社にとどまってもらい、才能を最大限に発揮してもらえるよう努力しないと、逃げられてしまう。
だからこそ、「企業文化」が重要なのであり、なかでも部下やチームを管理する「マネジメント」が注視されているのだ。だが、ミレニアル世代の超優秀な人材は、従来の「上司」では管理できない。
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著者のキム・スコットは、プリンストン大学とハーバード大学ビジネススクールで学んだ後、モスクワでダイヤモンド加工工場を開設したり、コソボの小児科医院を管理したりしたユニークな経歴を持つ。その後、アップルやグーグルなどシリコンバレーの代表的な企業で管理職を体験し、起業して失敗も体験し、DropboxやTwitterなどのシリコンバレーのCEOの指導をするようになった。
キムは、そんな体験を活かしてマネジメントのコーチングをする会社Candor, Inc.を創業した。