違うと思います。それは、仮に伊藤忠の例が意味のある実験だったとすると、「誰にも邪魔されない」時間帯というのが「午前5~8時」という早朝の時間帯しかない、つまり、そのぐらい「定時」から「宵の口」というのは「対面型業務」に時間を取られていると証明したことでしょう。

 日本のオフィスワークが非効率なのは、この「対面型コミュニケーション」に異常なまでに時間を割かなければならない点で、ここにメスが入らなければ生産性の向上も難しいし、ましてや外国人などの多様な人材を加えてチームワークを作って行くことは困難です。

 この「朝型勤務」のメリットとして、北米のオフィスの午後の遅い時間と重なるので、対面型コミュニケーションが取りやすいという点を挙げる向きもあります。ですが、現地採用社員が幹部クラスも含めてそろそろ帰宅準備に入る午後4時台などにテレビ会議を増やしたからといって、日本のオフィスと北米オフィスの連携が向上して効率化できるとは、一般論として思えません。

 つまり「朝型勤務」にすると効率が上がるということ、それ自体が「日中の働き方」がいかに非効率かということの証明になっている、この点に気付いて業務の改善をしていかなければ「成長戦略」にも「ワーク・ライフ・バランス」の改善にもならないと思います。