そんな中で、首脳会談後の共同会見では「尖閣を安保条約の対象に含める」という「オバマ発言」が出ています。これは勿論、日本側が相当に押したのだと思いますが、オバマ政権としては思い切ったという感じがあります。これに関しては、さすがにニューヨーク・タイムズ(電子版)やワシントン・ポスト(同)などは詳細にレポートしており、中国サイドの反発も、また今回の発言も内容的には過去の閣僚級の発言を踏襲しただけだという解説もキチンとされています。

 ただ、この「肝心の」部分もテレビではほとんど報じられてはいません。多くの局は「首脳会談の結果、ロシアへの制裁で歩調を合わせることになった」という点をメインに報道していました。CNNの24日朝の段階では「それだけ」、NBCはさすがにチャック・トッド記者という大物を東京に送り込んでいるだけに、「中国との係争」について言及がありましたが、尖閣に関しては「島の映像を流す」だけで島名には言及していません。

 この問題に関して言えば、「尖閣問題を共同宣言に含めることになった」というのは、米国にとって大きな譲歩であることは間違いありません。ということは、逆に日本側も大きな譲歩を迫られることになり、それがTPPの豚肉・自動車問題のネックになっていると思います。異様なまでに交渉が難航した背景には、そうしたダイナミズムを感じます。ただ、この「文書化」についても、アメリカではそれほど大きくは取り上げられないと思います。

 いずれにしても、今回の首脳会談を一言で言い表すのであれば「同床異夢」であり、そのことは、アメリカの報道の「寿司抜き」「安倍抜き」「尖閣抜き」にあらわれていると思います。