そして今、僕は少し複雑な感情を抱いている。日本の効率性と時間の正確さ(そして適正な価格設定)を、ぜひともイギリスの列車に持ち込んでもらいたいとは思う。

でも、どうしてイギリスが自力でこれをできないのか、と考えずにいられないのだ。

イギリスには「ビクトリア朝の人々は帝国全体を統治した!」という言い回しがある。これは帝国主義を懐古しているわけではなく、現在この国がまともに統治できていないことに対する嘆きの声だ。この記事を書いている今日、僕の住む地域一帯は「異常気象」のため、ごみ収集が中止になった。最高気温が32度になるという程度なのに。

30年前も、イギリスは国内のことを自力で管理しようとすることを諦めていなかった。僕が日本の鉄道会社によるイギリスの鉄道運行を想像もできなかったのはそのためだ。

でもそれ以降、多くのことが変化した。英中央銀行にはカナダ人総裁が就いたし、イングランドのサッカーチーム監督にはスウェーデン人、イタリア人、ドイツ人までいる(次にはフランス出身の英首相でも誕生するのだろうか?)。

僕の住む地域では、列車はオランダ国鉄の所有する会社が運営している。皮肉なことにこの鉄道網は、事業が非常にうまく回りだしたところで再国有化されようとしている。奇妙なことに僕は、イギリスの列車を運行するのに自国よりも他国の国有鉄道会社のほうがうまくやってくれると信頼しているのだ。

エリザベスラインはロンドン以西または以東から乗り換えなしで反対側に行ける「クロスレール」としても知られる。例えば僕の住むエセックス州の郊外からヒースロー空港までは、重い荷物を引きずり何カ所も狭い乗り換え口を通過することもなくたどり着ける。一方で、ロンドン中心部の人々の多くはほんの数駅の乗車に利用する。

イギリスの古い地下鉄駅に比べればどの駅もはるかに広々としているが、車両は長距離用としてはやや標準的で、座席も快適ではない。

東京メトロでも絶対不可能なことは
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