第一次世界大戦と規模も異なるが、長期化と高コストという構造は重なる。全面侵攻開始から4年。数日での制圧を想定したクレムリンの見通しとは裏腹に、前線は年単位でじりじりと動くだけだった。
戦争初期は様相が違っていた。2022年2月以前、ロシアは2014年に併合したクリミアを支配し、東部ドネツク州とルハンスク州の分離主義勢力を支援していた。両州は合わせてドンバスと呼ばれ、旧ソ連時代からの工業地帯だ。
2022年2月の全面侵攻開始直後、ロシアは急速に南部と東部で戦果を拡大。南部のヘルソン州では州都ヘルソン市を制圧。さらにアゾフ海沿岸のメリトポリも掌握した。
南東部ザポリージャ州ではエネルホダルも制圧した。ここには欧州最大の原子力発電所がある。黒海沿岸のマリウポリは2022年5月に陥落した。
北東部ではハルキウ州でも領土を拡大。首都キーウの北方まで部隊が進出した。キーウ州のブチャやイルピンなど郊外で激戦が続き、ロシア軍撤退後に民間人の集団埋葬地が発見された。
侵攻から1カ月で、ロシアはウクライナ領の約27%を掌握した。
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