もしメトレウェリが宣言したとおりになるなら、MI6は暴力やサイバー戦や心理戦などを組み合わせて結果を出す戦術に回帰することになる。ただ、同じ戦術をロシアが取った場合、欧米諸国がそれに対抗する能力は総じて弱く、後手に回りがちだ。唯一の目立った例外はウクライナだろう。

ウクライナは今回の戦争で、ロシア各地で目覚ましい反撃を展開している。例えば、ロシア人が運転するトラックの積荷にドローンを潜ませて、ロシア国内の飛行場を攻撃したり、サイバー攻撃を仕掛けたりしてきた。

MI6がウクライナの情報機関と緊密に連携して、こうした作戦の成功に必要な技術や情報を提供してきたことは公然の秘密だ。

だが、MI6はもっと多くのことができる。そのためには、最重要人物の情報を探ることにばかり注力するのではなく、機密性は低いかもしれないが、より実用的な目的のための情報収集に力を入れるべきだ。

プーチンに恥をかかせる方法

とりわけロシアは政治も社会も腐敗がはびこっているから、ほとんどの情報は盗まなくてもカネで買える。

ウラジーミル・プーチン大統領が朝食に何を食べたかを必死に探るよりも、側近のメールの内容をリークしてプーチンに赤恥をかかせたり、わざとMI6の痕跡を残して極度の疑心暗鬼に陥らせたりしてはどうか。

最大の壁は「政治」