だが伝えられるところでは、そのカディロフも健康状態が悪化しており、後継者たる息子アダムはまだ10代。チェチェン内部には氏族間の対立も根強く、カディロフが中東諸国の首脳に独自に接近してきたことに反発して、解任を求める勢力もある。カディロフはダゲスタンなど周辺共和国との緊張関係も抱え、地域の安定を脅かすなど、チェチェンはこれまで何度も流血を伴う紛争や事件の舞台となってきた。

数年前、私がダゲスタンとチェチェンに行くと大学の学長に告げたところ、正気の沙汰ではないと言われた。それでも行くと言い張ると、それなら身辺警護をつけるとまで言われた。それほど危険な場所だ。しかも多くの若者がウクライナの戦場に送り出され、命を落としている。いつ人々の不満と怒りが爆発してもおかしくない。

※この記事は前編です。後編「ロシアに蔓延する『戦争疲れ』がプーチンの立場を揺るがす...『今後の6カ月が正念場』」はリンクからご覧ください。

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