「台湾侵攻リスクは高まる」

この状況が、台湾侵攻にどう影響するかは意見が分かれる。アナリストの間では、侵攻能力が整う時期として2027年が想定されることもあるが、中国政府が実際に攻撃に踏み切るかどうかは不透明だ。

「台湾を含む戦争リスクは高まる」と、米シンクタンク、ジェームズタウン財団のピーター・マティスは語る。

「共産主義体制では、行動に先立って粛清が行われる。次に台頭する将校たちは、上から何が求められているのか、そして抵抗や失敗にどんな代償が伴うのかをはっきりと理解することになる」

一方、マルベノンは、PLAの不安定さが短期的には台湾に猶予を与える可能性があると見る。

「PLAは現時点では首脳不在状態で、侵攻を実行、あるいは成功させるには力不足だ。その結果、台湾には軍事や重要インフラの強靱化を進めるための時間的余裕が生まれる」

「この一件から台湾有事への結論を導くには早すぎる」と、米ブルッキングス研究所中国センター所長のライアン・ハスは言う。「判断ミスや誤算」のリスクが高まっているからだ。「習は、粛清を重ねることで軍の最高指導部全体を空洞化させるという構造的リスクに直面している」

有能な参謀を拒んだ帰結