「金価格が5000ドルに達したのは、FRBの利下げ期待、地政学的ショック、そして各国中央銀行による過去最高の金買いが重なった『完璧な嵐』の結果だ」と語るのは、オランダ・INGのコモディティ・ストラテジスト、エワ・マンセイだ。

スイス・UBSのコモディティアナリスト、ジョバンニ・スタウノボは「米国の財政状況が今後さらに悪化すると見られていることから、倒産や債務不履行といった信用リスクのない金のような資産に対する中央銀行と投資家の買いが今後も続く可能性がある」と述べている。

こうした動きは米国に限らない。他の西側諸国も財政的現状が悪化し、多額の公的債務を抱えている。

「西側諸国を中心に、過大な債務に対処しようとする意欲が乏しいようだ」と語るのは、メタルデイリー・ドット・コムのCEO、ロス・ノーマンだ。「問題が自己増殖している感がある。要するに、金価格上昇は深刻な不安の反映だ」

ノーマンはこの「深刻な不安」の原因は、単なる地政学や米国固有の問題ではなく、「消費期限が過ぎた可能性のある」金融システムへの世界的な信頼低下だとし、その根幹に「制御不能な債務問題」があると本誌に語っている。

勢いが止まる要因はない