女性は「男性に依存すればいい」からきている問題

 

「『変える』ためには、やっぱり私たちがつながっていかなきゃいけないと思います。『わくわく』は社会や政治が目を向けてくれるか、どこまで関心を持ってもらえるか、まったく未知数の中で、仲間たちと10年ほど前(2015年)に立ち上げました。当時はまだ中高年シングル女性はほとんど注目されていません。だから独身の人も、事実婚の人も、シングルマザーも、夫と死別した人も、離婚の人も『みんなで集まろう』って、始めたんです。だって属性やシングルになったプロセスは違っても、課題は同じだからね。この国の女性を位置づけているのはみんな、男性に依存すればいいという、そういうところからきている問題でしょう? 『独身・離婚・死別等』に共通する課題をテーマにし、塊を大きくしないと政策にしてもらえない。私たちの問題を政治課題にしてもらうためには、輪が広がることが大事です」(8〜9ページより)

事情はどうであれ、ずっとひとりで生きてきた中高年シングル女性の中には、ひとりで生きることに抵抗を感じず、気楽でいいと感じている人もいるだろう。

そういう人にとっては「人とつながる」こと自体に抵抗感があるかもしれないが、それで問題を解決できるわけではない。そもそも、今はよくても、いつまでもひとりで生きていけるとは限らないのだ。

著者も指摘しているように、ひとりの声では弱く、塊になって大きな声にしないと政治に届かない可能性がある。政治に届かなければ社会を変えることもできないのだから、どうであれ「つながる」ことを意識してするのが必要ではないだろうか。

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[筆者]
印南敦史

1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『この世界の中心は、中央線なのかもしれない。』( 辰巳出版)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。

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