最新作『エラ・マッケイ』の一場面
最新作『エラ・マッケイ』の一場面 20TH CENTURY STUDIOS

一方でそんな彼女を一貫して支えてくれる人もいる。おばのヘレン(ジェイミー・リー・カーティス)と、長い付き合いの秘書のエステル(ジュリー・ケイブナー)だ。

ブルックスの作品らしく、登場人物たちの心は安定とトラウマの間で揺れ動く。そうした描写の多くは、脚本も手がけるブルックスの実体験をもとに生み出された。ブルックスは言う。「父はいい人間ではなかった。だから私は今も恨みを抱いているのかもしれない。本当にひどい男だったんだ」

ブルックスは複雑で立体的な女性キャラクターを描き出すことで高い評価を受けてきた。そうした能力の背景にあるのが、「私は女性に囲まれていた」と語る彼自身の人生経験だ。

「8歳上の姉がいてね。母は休みなく働いていたから、私を育ててくれたのは母であり姉たちでもあった。それからおばが2人いる。母とおばたちは仲がよかった」とブルックスは言う。

「私は必要以上に早い時期から、周囲の女性たちのつらい状況、母の置かれた苦しい状況について耳にしていた。実際にこの目で見たこともあった」

普通の男性監督と違う

マッケイは、ブルックス作品のヒロインを演じるということの重みをひしひしと感じている。それは過去にブルックス作品で主役を演じたそうそうたる顔触れの女優たちと肩を並べることになるというだけではない。

主演と主人公の名前が「ほとんど一緒」の奇跡