『マーティ・シュプリーム』は、どんな俳優でもヒットさせられるタイプの映画ではない。アメリカでは卓球はマイナーな競技種目だし、モデルとなったマーティン・ライスマンは「卓球選手はギャンブラーでなくてはいけない」と語った変わり者だ。小粒なインディペンデント映画として終わっても不思議ではない。

実際、昨年12月に全米公開されたときは、わずか6館でのスタートだった。ところが巧みな宣伝戦略もあり、すぐに上映館が増えて、1月2〜4日の週末の興行収入は1260万ドルを記録した。

ディカプリオからの助言

これは、シャラメが「数字を持っているスター」の地位を確立してきた証拠でもある。かつてディカプリオから得た「スーパーヒーロー映画は避けること」という助言を守って、シャラメは小粒でも質の高い作品と、大型娯楽映画のバランスを取りながら慎重に出演作を選んできた。

前者の例としては、『レディ・バード』(17年 原題:Lady Bird)や『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(19年 原題:Little Women)、薬物依存の少年を演じた『ビューティフル・ボーイ』(18年 原題:Beautiful Boy)などがある。

一方、後者の代表格はSF映画の『デューン』シリーズや、『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚である『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23年 原題:Wonka)などだ。

次世代スター競争