弾圧のボス

新たに軍事防諜機関DGCIMのトップに就いたゴンサレス氏は政府でのキャリアが長く、特に文民による情報機関のトップを2度務めた際にはカベジョ氏と緊密に協力した。

ゴンサレス氏を役職に引き上げたのはロドリゲス氏で、2024年にはゴンサレス氏を、⁠国の最重要企業であり経済の原動力である国営石油会社の要職に抜擢した。

それでもゴンサレス氏がDGCIMをどこまで掌握できるかについては疑問が残る。政府の内情を知る3人の関係者によると、同機関内のカベジョ派がゴンサレス氏の権限行使を妨げる可能性がある。

治安機関の内情に詳しいある関係者によると、ゴンサレ⁠ス氏の前任者も同機関の掌握に苦労した。前任者には実権がなかったとして、「弾圧のボスは既に決ま‍っている。カベジョだ」と言い切った。

カベジョ氏と関連が深いコレクティーボが「無秩序化」戦略を実行することで国を統治不能にする可能性もあると、政府に近い関係者は話した。この戦略はもともと米国の介入を阻止するために計画されたが、ロドリゲス氏に向けられる可能性もある。情報機関とコレクティーボを動員してカラカスを混乱と無秩序に陥れるプランだという。

またカベジョ氏は、トランプ氏が称賛してきた囚人釈放のペースを遅らせることもできる。釈放ペースは家族や人権団体が求める水準よりもはるかに遅く、ロドリゲス氏にとって新たな圧力になり得る。

一方、海外ではカベジョ氏に対する圧力が高まり続けている。

米下院のマリア・エルビラ・サラザール議員はXに今月、「トランプ政権がベネズエラで真の移行を実現するためには、遅かれ早かれディオスダド・カベジョに米司法の裁きを受けなければならない。ディオスダドが裁かれるときが、ベネズエラにおける民主的移行と、すべての政治的人質の解放に向けた決定的な一歩になる」と投稿した。

[ロイター]
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