イラン当局が武力で応じた点も共通している。22年には500人以上が殺害され、2万人近くが逮捕された。今回も国家権力による殺害や大量拘束、弾圧が報告されている。

ただし、相違点も同様に重要だ。初期段階を比較すると、22年のデモが大都市中心だったのに対し、今回は小規模な町や経済的に取り残された地域にも波及している。また、厳しい経済状況の影響なのか、学生や労働者、女性、少数民族の参加も目立つ。

国際的な文脈も異なる。22年には国際社会の関心は人権侵害に集中しており、西側諸国は口ではデモへの支持を表明しても、実際の制裁は限定的なものにとどまっていた。米バイデン政権は対立より外交的封じ込めを優先し、全面的な制裁を避けた。

ハメネイの言葉は響かず

一方、現在の地政学的環境においては、ドナルド・トランプ米大統領の再選と「最大限の圧力」政策の復活により、イランは経済的孤立を一段と深めている。トランプは自身のSNSトゥルース・ソーシャルで「イランがデモ参加者を殺害したらアメリカが助けに行く」と言及。イラン政府は抗議運動を諸外国による心理戦の産物と見なしているが、予測不可能でリスクをいとわないトランプへの恐怖心が高まっているのは確実だ。

4年前とは状況が異なる