<テレビの時代劇として誕生した『座頭市』や『子連れ狼』は、現代の作品へとつながっている。世代もジャンルも超えて受け継がれてきた「サムライの魂」とは――>

※この記事は前後編の後編です。前編は以下リンクからご覧ください。

前編:『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだけハリウッドに「オマージュ」を捧げられてきたのか

テレビ時代のアクション

黒澤は『用心棒』の続編的な作品とされる『椿三十郎』(62年)など時代劇を撮り続けたが、時代劇というジャンルは、そして日本の映画産業全体が、60年代のテレビの台頭とともに後退した。

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時代劇がテレビという小さなスクリーンに移行するなか、日本の映画スタジオは、侍と刀で観客を引き付ける新たな方法を模索した。

その1つが『座頭市』シリーズ(62~89年)で、アクションは派手になり、主人公は超人的な力を振るった。

『子連れ狼』シリーズ(72~74年)は暴力描写がさらに過激になって、手足や頭が飛び散った。どちらもテレビドラマが作られ人気シリーズとなり、ビデオやDVDを通じて海外でカルト的な人気を博した。

勝新太郎が演じた『座頭市』の主人公は目が見えない按摩(あんま)でばくち打ちだ。人畜無害に見えて、実は鋭い聴覚で敵の動きを捉える剣の達人。杖に細身の刀を仕込んで、刀を逆手に持つ独特のスタイルで戦う。

飛んでいるハエまで一刀両断にするこの漫画的なキャラクターを、勝は無骨に味付けし見事に演じた。座頭市は弱き者の味方だが完全無欠のヒーローではなく、過去の罪を悔やんで旅を続ける永遠のアウトサイダーだ。

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『子連れ狼』が生んだ新たなモデル