インドネシアではデモは沈静化したものの、大学では今も政治に関する熱い議論が続いている。だが一度はデモ側を支持したSNSのインフルエンサーたちがその後、既存政党に取り込まれてしまった例もある。

草の根運動のエネルギーが権力の側に取り込まれるという事態は、アラブの春の後にも起きた。

「アラブの春の後、長期的な紛争が起きたり専制政治が復活した例は珍しくない。だが今回のZ世代の運動はもっと打たれ強いかもしれないし、人と人とがつながる力も強いかもしれない。それは時間の経過とともに分かることだ。しっかりした将来的な戦略がないことに起因する分裂を避けることができるかどうかが運命の分かれ道だ」とプリツァスは言う。

若者たちのエネルギーが、抗議運動の盛り上がりを本格的な改革につなげることができるかどうかは分からない。だが世界各地で今、ネットを見て育った世代が既存の政治や社会制度に幻滅し、声を上げているのは事実だ。

あるデモ参加者はこう言った。「私たちは(パソコンやスマホの)画面に映る世界を見て育った。今、私たちは自分の手でそれを変えたいと思っている」

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