中国インバウンド消失、経常黒字とGDPが同時減少

みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏も、中国の姿勢について「利上げをにらむ日銀にとって、新たなリスクが浮上してきたのは確かだ。トランプ関税より対中関係の不透明感のほうが、現実的な懸念となりつつあることは間違いない」と警戒感を示す。

観光庁によると、昨年の訪日外国人旅行消費額に占める中国の割合はトップの21%で、約1.7兆円だった。今年も1─10月の訪日外客数3555万人のうち、中国は1位の820万人と、全体の2割強を占める大きな存在感を示している。

この1.7兆円は、日本の名目国内総生産(GDP)の約0.3%に相当する。インバウンドの減少は経常黒字の縮小を通じて通貨安につながりやすく、GDPの減少は利上げ後ずれの思惑となって円安圧力となる可能性がある。

現在の円金利先物市場では、12月利上げの織り込みが3割程度まで低下してきたが、1月利上げはまだ7割超と予想されている。

一方、日銀に利上げを求めたとされる先のベセント米財務長官発言もあり、「政府が物価高対策を進めている現状、さらに円安が進めば、日銀が利上げを実施するとの思惑が市場で高まりやすい」(日本総研主任研究員の松田健太郎氏)状況にも、大きな変化はない。円相場はしばらく安値圏の攻防が続きそうだ。



[ロイター]
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