木材の天井や壁、木製家具については、単独では明確な効果が認められなかった。これは、今回使用したデジタル環境の「木のリアリティ」が十分でなかった可能性があると研究チームは補足している。
そのうえで「自然とのつながりを感じられるかどうか」がウェルビーイングにとって重要な要素だと研究チームは指摘する。
「単に自然要素を詰め込むのではなく、この空間の自然が、しっかり人の感覚と結びつくように設計しなければなりません」(ビアンキ研究員)どの程度の自然要素が必要かは、空間の種類や、そこで求められる心理的な役割によって異なるが、「20%程度の量の緑が、帰属意識や好奇心、心理的な『逃避』、認知の一貫性とポジティブな覚醒を最大化する可能性がある」と本研究では結論づけている。
研究チームは、今回の研究成果が、住宅・学校・職場・病院といった空間設計に生かされることを期待する。
今回の実験のストレス反応が最も高かった空間が極端に自然の量が多いという点で、現実の屋内環境とは異なるとビアンキ研究員は指摘した上で、次のように強調する。
「都市化が進む現代においては、自然の『室内投与量』とウェルビーイングの関係をめぐる実証実験が今後ますます重要になります。(...)室内の緑化は、回復感や帰属意識など多くのウェルビーイング指標に有益です。しかし、ストレス面に関しては、大量の自然が逆効果になり得えるのです」
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