そこで研究チームは、「室内でどれだけ自然が見えるか」を定量的に算出できるソフトウェア「Nature View Potential」を開発。コンピュータ上で立体的なオブジェクト(物体)を作成する「3Dモデリング」と組み合わせ、自然要素のレベルを変えた11種類のバーチャル会議室を設計した。

実験に参加した412人は仮想の会議室にそれぞれが割り当てられ、そこを「新しい職場」と想定して専門的な課題に取り組む設定がなされた。

研究チームはその後、参加者に難解なアナグラムや、1022から13ずつ引いて0までカウントダウンする計算など、あえてストレスを与えるタスクを課して、自然要素がそのストレス緩和につながるかどうかを検証。事前にウェルビーイングに関するアンケートも実施し、比較できるようにした。

「わざと『あなたのスコアは平均以下で、謝礼も支払われません』と伝えることで心理的な負荷を与えました」と、ビアンキ研究員が述べるようにストレスの負荷も上げられた(実際には参加者全員が実験参加に対する謝礼が支払われている)。

解析の結果、植物による「緑の投与量」が約20%の環境で、最も高いリラックス効果と帰属意識の向上が確認された。

「13平方メートルの室内に換算すると、観葉植物17鉢と、木々の見える窓がある量」であるとビアンキ研究員は語る。

「自然要素は少しだけでも効果がありますが、変化を本当に実感したければ、20%ほどまで引き上げる必要があります」と、ビリントン教授も補足する。

一方、緑や木材が60%を占める「自然要素が最も多い空間」では、かえってストレスが増加する結果になった。参加者の一部は「植物が多すぎて何も手につかない」「やる気が出ない」などと記している。

「自然とのつながりを感じられるかどうか」
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