もう一つはスマートフォンカメラである。米アップルとスマートフォンの世界シェアを競っていたサムスンはスマートフォンカメラの高性能化を進めたが、自社のカメラ事業を圧迫する結果を生んだのだ。

サムスンがカメラ事業から撤退すると、韓国市場はソニーを選んだ。ビデオカメラはソニーの独壇場となり、ミラーレスもソニーが伸長。サムスンカメラの買い替え需要がはじまった2019年、ソニーコリアは売上が進出以来最高となる1兆4千億ウォンを記録し、以降3年連続で最高売上を更新した。

ソニー、24年ぶりに営業利益がサムスンを上回る

ソニーコリアはイメージセンサーにも力を入れる。イメージセンサーはレンズが捉えた像を電気信号に変換して記録するデジタルカメラの主要部品で、ソニーは世界市場で55パーセントのシェアを持ち、2位のサムスンを20ポイント以上、引き離している。

80年代、世界で初めてCCDイメージセンサーの商品化に成功したソニーは当初、自社製ビデオカメラに搭載したが、カメラメーカーにも供給を開始。現在、ニコンやリコーイメージング、またスマートフォンでもアップルやシャオミなどがソニー製イメージセンサーを搭載している。

今後、自動車分野が鍵になる。自動運転車など車の周辺を把握できるカメラの需要が高まるなか、車載向けは米国のオンセミに大きく水を開けられるソニーは熊本県に工場を新設するなど拡大を図る計画だ。ソニーは2023年度、営業利益が24年ぶりにサムソン電子を上回り、3倍だった売上差も2倍近くに縮まった。

ソニーコリアのウィークポイントは全製品を日本社から輸入することによる原価率の高さだが、ソニーをライバル視するサムスン電子のお膝元で着実に売上を伸ばしている。

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